旧世界と新世界紀行

久しぶりに日本橋に行った。3、4年ぶり、いや5、6年ぶりくらいかもしれない。
ソフマップザウルスの前の通りが「オタロード」と呼ばれるようになり、街にメイドさんが溢れる様になって、昔のコンピューター街がオタ街と変貌した(らしい)後からは一度も行っていないので、さぞかし変わっているだろうと思っていたけど、思いのほか、というより殆ど変わっていなかった。
私がいつも巡回コースにして贔屓にしていたジャンク屋さんやら電子部品屋さんやら怪しいブツを売る店などのそれ系統の店は殆ど例外なく生き残っていた。
ある店は規模を縮小し、ある店は規模が大きくなりつつも、硬派でストイックな店たちがあまりにカラーの違う系統の店に囲まれながら営業している様を見ていると、あまりの懐かしさに目頭が熱くなりそうであった。
昔のようにジャンク箱からSUNのキーボードやネットーワーク機器を漁ったり、何に使うのか理解しがたいような部品を漁っているとなんだか時間の感覚がおかしくなって来る。
圧倒的な速度で変わる世の中で、こういった旧世界的な何かしらが息づいているのはなんだかとてもほっとする。ジャンク部品を漁りながら色々な意味でこの場所とこの雰囲気は今の私の一つの原点だったのだと思う。


そして、今まで堺筋の一本東の通りから通天閣を遠くに眺めることは何度もあったけど、今回は初めて通天閣のそびえ立つ新世界に足を踏み入れた。
長蛇の列に並び「ソースの二度漬け厳禁」の「だるま」の串カツを食い散らし、閉店間際に男四人が一列になってスマートボールを打ってきた。
なんだかよく分らないビギーナーズラックのままに玉五十個を弾き出して「とんがりコーン」をゲットしたのが思いのほか嬉しかった。
夜遅かったので大方の店が閉まっていたけど、初めて行く店や街、初めて遊ぶものなのにノスタルジックな感覚が始終付きまとっていたのは不思議であった。
新世界になった旧世界の残る日本橋、そして新世界という名の旧世界、なんだか知らんがめちゃくちゃ楽しかった。
失礼な大手家電店の販売員ギャルにめげず、怪しいものを売っているとしか思えない店舗ですらない店を冷やかしつつ、友人たちと妙なテンションで色々な店を巡りつつ一週間はブログのネタに困らなさそうな、色々なものを買い込んで来たのであった。

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