穴掘りモグラ的反省
知人に「宇宙好き」あるいは「空好き」がけっこういるのだが、なぜか俺は宇宙にも空にもそれほど興味を持たなかった。
子供の頃は家に子供向けながらも天体望遠鏡も顕微鏡もあったけど、どちらかと言えば顕微鏡の方をよく見ていた。
高校時代は生物的に細かい物の代表のような分子生物学を志望していたし、結局興味が移った方向の哲学も誤解を恐れずに言えば、社会や他に対する関係性というレベルでは非常に「細かい」物だと思っている。
コンピューターに関する興味の傾向も、グローバル化だとか次世代ネットワークだとかには殆ど興味が無く、ずっとシステム自体に興味があった。最近ではカーネルとかプロトコルとかいった、どちらかと言えばシステムの内部構造の方向に進み出しているような気がする。
今まで経てきた趣味なり嗜好なりを考えれば、俺は「より細かく」の方向を目指す人間であるのは間違いないように思う。
たぶん俺は「より高く」を上へ上へと目指すタイプではなく、「より深く」を目指して真下に穴を掘っていくような感じのタイプなんやろう。
んでもって広い空や宇宙に思いを馳せて美だとかロマンだとかを感じるのではなく、細かい物事を詳細に眺める事で「仕組み」やとか「システム」に美を見いだすタイプなんやとも思う。
ケプラーの超新星よりも細胞のアポトーシスの仕組みの方が心惹かれるし、グリッドコンピューティングよりも並列CPU技術の方が興味ある。
宇宙だとか巨大コンピューター群てのは自分の外側にあり、 かつスケールが大きすぎてあまり自分に関係の無いような気がして興味を持てない。
たぶん自分の手の届きそうにない範囲の事は無いものとして扱おうとする傾向にあるのやろうと思う。
一人で趣味とかに打ち込む程度ならこれでも別に悪くないやろうけど、人間関係でこれを前面に出すとあかんやろうねぇ。もちろん人間関係だけじゃなくって日常生活一般でも。
細部とシステムとしての美しさにこだわり、自分に関係ない物には全く手を出さない。
こう書くとなんか最悪の奴やん。
でも実際、俺はこんなことやってるもんなぁ。ということでちと反省。