傭兵は任務遂行力が命

この日も仕事で久々の土日フル出勤と言う事になった。
どうせ日曜日だと言ったってロクな事はしていないし、傭兵稼業であるので大歓迎である。
これでもかと冷やされているサーバー室にいる時間が長かったので風邪を引きそうだったが何とか大丈夫だったようだ。
どちらかというと働き過ぎと言うよりは、なにもしなさ過ぎて疲れた。
俺は傭兵は傭兵でも最前線で直接作戦行動に従事するのに向いているとつくづく思う。
ついでに言うと狙撃部隊より強襲部隊とか突撃部隊の方が向いているとも思う。
なんというか、立場というか責任の所在というのは中々難しいものだ。
大人の世界はみんなでワイワイやればええやん。と言うわけにはいかんもんね。


俺はコンピューター関係の仕事に従事しているけど、それに関しては仕事と言うよりは興味があるものの延長線上にあるわけで、特殊と言えば特殊なパターンだと思う。
他の同業種の人はなるべく他の事はやりたがらない事が多いけど、俺は純粋な興味の方向から何でも首を突っ込みたがりやりたがりるタイプなので、彼らと温度差を感じる事が非常に多い。
恐らく、彼らからすれば俺は面白みのない人間やろうしどちらかというと変態に属するだろう。
しかしながら俺は正規の訓練を受けた事もないし、どこかの正規兵でもなく、ただ自己流で実戦で腕を磨いただけの野良傭兵である。
「最後には何とかする」突破力のような物はどこかの正規兵より後ろ盾のない傭兵の方が強いように思う。
どこかで何かが起これば飛んでいって首を突っ込んできたけど、そのおかげで自分が鍛えられもしたし、また楽しかった。
常にそういう種類の戦いに身を置いていないと、またそれを楽しいと感じなければ、傭兵であるというのは非常にしんどいやろうと思う。
弁当を持って来ていたのは俺だけだったので一人で昼食を食べた。
食後に音楽を聴きながら本を読んでいたのだが、イヤホンでグレン・グールドのゴールドベルグ変奏曲を聴くと彼の唸り声がとても鮮明に良く聞こえた。
グレン・グールドの奇声を聴き、彼の奇行を思う。
んー俺以上に後ろ盾のない傭兵稼業で、俺以上に変な奴はなんぼでもおるやん。つーか俺と比べる事自体がおこがましい程のぶっ飛びぶりやん。
などと、とてもまったりした気持ちになった。

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