丁寧に本を読むのはイロニーの精神か?

最近、大学院で勉強やら研究やらに勤しんでいる友人が読み終わったという原書のテキストの写真を見て妙に感動した。

本のページの間からびっしりとそれでも控えめに突き出している色とりどりの付箋が、その本がどれだけ丁寧に読まれたかを物語っている。

私はとにかく少しでも興味が湧けば、ひたすら色々な本をガーッと読んでしまうタイプの本の読み方をしてきた。そんな橋の上を駆け抜けるような本の読み方をしてきた私には、そんな丹念に読まれる本はとても新鮮だったのだ。

とはいえ、研究者である人が丹念に本を読むのは、一気に距離をつめることも許されず、中間地点をすっ飛ばして行くこともできない、地道で辛い歩みに違いないのだろう。

しかし研究者でもなんでもない私にとってはそうではなく、純粋に本を楽しむことができるかもしれない。

それは私にとって消耗戦でも塹壕線でもなく、むしろ野原で花や草や木々や空を眺めながら一日中ピクニックをしているようなものかもしれない。

早く読もうと思えば読める本をあえてゆっくり読むことで楽しもうとするのも、言ってみれば「イロニーの精神」であるかもしれない。

 

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