肉球、そして生命の神秘

日曜日に火傷をしてちょこっと水ぶくれが出来て、普段なら針で突いて中の組織液を出すのだが、今回はなんとなくそのままの状態にしてあり、右手人差し指の先は某宇宙人のように膨らんでいる。
事あるごとにその水ぶくれを親指でプニプニし、プニプニ感に酔いしれる度に、水ぶくれがその下の傷口へのクッションになっているのを感じて生物のしくみスゲーと思うわけである。
てな事を、沖縄料理を食べながら梅酒を飲みながら話し、例のごとく水脹れをプニプニと押していたら、酔いの勢いも手伝って、人間にも犬や猫と同様に肉球を生じせしめてこれを体験する可能性に思い当たり、向こうで六人テーブル席に横並びに座っている痛カップル客にも教えてあげたいくらいに一喜。しかしながら各指と手のひらに水脹れを作ることの苦労を思い一憂。
で、コーヒーを飲んで酔いを覚まして自転車に乗る頃にはいつのまにか肉球がぺったんこになっている事に気づいてちょっとした寂寥感に襲われる。
だがしかし、肉球の中の組織液は何処へいったのだ?生物のしくみスゲーと思いながらハンドルを握る手にもう肉球は無かった。

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