オタク属性/蛇にピアス

オタク属性と言うのは何か物事を追求するための日常的な訓練としても、非常事態に自分の世界に逃げ込むための場所の構築であるとしても、それなりに意義深いものであると思う。
そういうわけでオタク属性の少ない人がオタク的方向性を持って何かにのめりこもうとするのを見るのは嬉しいものである。
amazon ASIN-4087746836仕事時になぜか衝動借りした、金原ひとみの『蛇にピアス』を読んだ。
イメージどおりのどちらかと言うとエログロな方向性やけど、痛みや破壊が人を理解したり同調したりする試みの一つだと捉えるとがらっと印象が変わるような気がする。普通はそういう類のやつを理解したりしようとせんもんね。題材と著者の一般的イメージからすれば、思ったよりまともな小説だった。
この著者は同時に芥川賞を取った綿矢りさなんかと違って、潰しが効かないというか自分自身で自分を追い込んだような逃げ道の無いがけっぷち感を醸し出しているように見えて、逆にちょっとだけ好感を覚えた。
でもあえて追いかけて読んで行こうと言う気は無いかな。

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