ソーニャという名の自転車

今年の梅雨入りは6月1日からと早い。そのせいもありこの週はずっと雨の予報だったので、毎日雨用自転車のMTBで出勤していた。「早く晴れてピスト乗りたいわー」などと思いながら。
私は自分の自転車を三台持っていて、町乗り用のピスト、ちょっと遠出の時に乗るロードレーサー、雨雪オフロード用のMTBと用途に分けて乗り分けているのやけど、今週フル活用されたこのMTBは雪の時とか雨の時とか土や砂利や砂の上を走る時に乗られるのがほとんどであり、良く考えれば我が家で一番過酷な条件で働いている自転車である。
しかもほかの自転車を濡らさないがために、自分が雨と泥にまみれて汚れ切っている。
このMTBを人間に置き換えて考えてみればなかなかやり切れんやね。文句も言わず一番大変な時にどろどろになって働いているのに一番評価と価値が低く設定されているわけやし。
私の中でそういった、扱いが悪いうえに蔑まれてその上に幸が薄い存在の代名詞は『罪と罰』のソーニャである。彼女のように悲惨な状態で身を粉にして働き、毎日疲れ果てて人の心配ばかりして、それでも蔑まれて邪険に扱われ、自分は汚れていると自己否定する善良で幸薄い自転車。
もうこの自転車をソーニャと名づけたいくらいである。
そう考えると、このソーニャをもっと評価してもっと大事にしてやらんといかんなぁと思った。
いやもちろん大事にしてるんやけどね。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。

PAGE TOP