映画 24 3月 2008 オタール・イオセリアーニ 「群盗、第七章」 (1996/仏=スイス=伊=露=グルジア) ASIN:B000EULVJU オタール・イオセリアーニの「群盗、第七章」を観た。 「群盗」と言えばフリードリヒ・フォン・シラーのデビュー作である有名な戯曲なので、五幕からなる構成のこの戯曲の何らかの続きを「第七章」として撮ったのやと思っていたけど、どうもそうではなさそうだ。 戯曲の『群盗』の原題は『Die Räuber』であるけど、映画の「群盗、第七章」の原題は「Brigands, chapit[…] 続きを読む
映画 23 3月 2008 岡本喜八 「殺人狂時代」(1967/日) ASIN:B000CFWN62 岡本喜八の「殺人狂時代」を観た。 公開当時のかなりの興行成績の不振で公開期間が短く、某単語が連呼されるが故に地上波で放送される見込みがなく、どちらかというとカルト映画の位置付けをされているらしい。 パッケージの写真と流布する映画の評判「尋常な精神の登場人物が皆無の稀代のカルト映画」なるものから、仲代達矢が追い詰められて精神を病み、勢いあまって銃を手にする。って感じの[…] 続きを読む
映画 22 3月 2008 ミヒャエル・ハネケ 「カフカの「城」」 (1997/オーストリア=独) ASIN:B000LE136U この映画はフランツ・カフカの未完の長編である『城』をミヒャエル・ハネケが忠実に映像化したものであるらしい。 フランツ・カフカは私にとって大好きな小説家の一人であるけど、『城』を読んだのは十年以上前の話なので内容の細部を覚えているどころか殆ど何もかも忘れているのでこの映画が原作に忠実であったのかどうかは良く分からない。 私が覚えているカフカの『城』は村の何処からでも見[…] 続きを読む
映画 16 3月 2008 ダニー・ボイル 「28日後...」 (2002/オランダ=英=米) ASIN: B0000AIRN4 人間の血液を介して感染する、感情や知性が消えて凶暴性だけになるようなウィルスが蔓延してゴーストタウンと化したイギリスを舞台に、生き残った数少ない人が襲い来る感染者たちと戦いながらサバイバルする話である。 一応ゾンビ系ホラーな括りになっているけど、襲ってくるのは「ゾンビ」ではなく「感染者」なのがミソ。 ゆっくりじっくりと恐怖が這い上がってくるようなホラーではなく、ど[…] 続きを読む
映画 9 3月 2008 アレクサンドル・ソクーロフ 「エルミタージュ幻想」 (2002/露=日=独) ASIN:B0000AJG7Q 前代未聞の90分ワンカット、しかもエルミタージュ美術館でのロケを行ったという事でかなり話題になったらしい。 ストーリなんてものは端から無く、19世紀のエルミタージュに迷い込んだ男がフランス人の外交官に案内されるまま、ロマノフ王朝を巡る300年の歴史の端々を垣間見て、エカチェリーナ2世の収拾した美術品を鑑賞し、宮内で催される舞踏会や演劇に参加しつつ現在から過去の入り混[…] 続きを読む
映画 8 3月 2008 氷の海に眠りたい(1999/仏) ASIN:B000068WAN アメリの人、オドレイ・トトゥが出ているなんか良くわからんフランス映画の「氷の海に眠りたい」を観た。 パッケージには、冷蔵庫を愛し氷の海で死ぬ事にあこがれる、オドレイ・トトゥ演じるちょっと精神を病んだ若妻が、自分の家の地下から子供の白骨死体が見つかった事を発端に徐々に狂気に蝕まれてゆく様が圧巻! てな感じの事が書いてあって、キティ系映画大好き人間としては「ウホ!面白そ[…] 続きを読む
映画 4 3月 2008 ミヒャエル・ハネケ 「71フラグメンツ」 (1994/オーストリア=独) ASIN:B000JVS598 ミヒャエル・ハネケの初期作品、「感情の氷河化三部作」なるシリーズの最後にあたる「71フラグメンツ」を観た。 物語の初めに大学生による銀行強盗事件があった事が示されたのち、その二ヶ月前から事件当日に至るまでの数組の家族と数人の生活の日常がが断片的に淡々と描かれてゆく。 ホームレスの子供、娘に邪険にされる老人、子供が出来てギスギスし始めた夫婦、養子を貰う為に施設を回る夫[…] 続きを読む
映画 2 3月 2008 ネタばれの予兆 ASIN:B000HOL87I オーメン4を観た。前作までの「悪魔の子」ダミアンは登場せず、同じく悪魔の子「ディーリア」なる女の子が登場。 ダミアンの女の子版という事で私としては「ダミ子」と心の中で呼んでいたのだが、「悪魔の子」というよりはただの「いけ好かない嫌なガキ」だった。 最後の最後でどんでん返しというより伏線も何も無い滅茶苦茶なオチのつけ方でびっくりである。 映画全体としてはオーメン1に2[…] 続きを読む
映画 28 2月 2008 ミヒャエル・ハネケ 「ベニーズ・ビデオ」(1992/オーストリア=スイス) ASIN: B000JVS58Y この間ミヒャエル・ハネケのデビュー作である 「セブンス・コンチネント」を見てとっても怖かったのだが、続いて彼の二作目の監督作品である「ペニーズ・ビデオ」を見た。 何でも前に見た「セブンス・コンチネント」とこの映画、そして次の作品である「71フラグメンツ」とあわせて「感情の氷河化三部作」と呼ぶらしいのでとりあえず見とこうか。という感じである。 ストーリーは裕福な家庭[…] 続きを読む
映画 24 2月 2008 オタール・イオセリアーニ 「蝶採り」 (1992/仏=伊=独) ASIN:B000EULVJK オタール・イオセリアーニの「蝶採り」を観た。 フランスのどこかの城のある片田舎、車椅子に乗ってシングルアクションのリボルバーで蝋燭や空き缶を撃つのが趣味の城の主である老婆と、弓矢で池の魚を採り、教会でオルガンを弾き、トロンボーンが趣味のいとこを中心に、ちょっと変わった村人の日々の生活が綴られる。特に何が起こるわけでも無いのやけど、 町並みは綺麗やし皆自転車乗ってるし[…] 続きを読む