拒食系入定ミイラとしてのゼバスティアン

前回に引き続きまた音楽の話やけど…
この間から別ジャンル開拓という事でオペラなんか聴き始めた訳やけど、そのついでに家にあるCDやらレコードを片っ端から聴くようになった。
一年ほど前からモーツァルトの曲が副交感神経と交感神経のバランスを保つとかいう、どちらかというとトンデモ系の説が出てきたりで、やたらと人気のないクラッシックの音楽業界でもモーツァルトだけは売れているらしい。
養豚場で豚たちにハイドン・セット聴かせたり、交響曲ジュピターが響き渡るビニールハウスでトマトなんか育ててみたりするのは有名な話だ。
ちなみにこの説ではベートーヴェンはモーツァルトとは全く反対の方向にあるらしく、ルートヴィヒ好きの俺が「そんなにモーツァルトええか??」などと思うのもトンデモ学説的にはそれなりに納得だ。


この間までオペラ聴いてたけど、今はバッハ(J,Sの方)ばかり聴いている。
amazon ASIN-B0000025PM切っ掛けはグレン・グールドの弾くゴールドベルグ変奏曲。余りに名高い演奏で有名やけど、やっぱり凄いもんは凄い。ストイックな感じの演奏がもうたまらん。
これはどっちかっつーとグールドがすごいのか?って思ったけど、他のバッハの曲聴いてもモーツァルトなんかと比べてやっぱりストイックな感じがする。やっぱり教会のオルガン弾きや音楽監督やってたせいか??でも子供が20人もいたというのでストイックとはほど遠いのか??
まぁどっちでもええか。
どちらかというと俺は貪欲に色んなもんを取り込もうとする過食系の人間やと思うけど、聴く音楽とか読む本はストイックというより拒食系を好むらしい。
「即身仏」やとか「入定ミイラ」とかって何となく笑ける感じがすると同時に拒食とストイックさの極致な訳で、昔からこういった存在が気に入っていたのはそのせいかもしれん。
しかし、1750年半ばに死んだ作曲家(J,S,バッハ)の曲を今から20年ほど前に死んだピアニスト(グールド)が弾いているのを今聴いていると言う図式はなんか凄いなぁと思う。
ミイラになって世に残るってのもバッハやグールドと同じように後生に自分の証を残す一つの形なのかと思ったりもしてみた。
ジョスカン・デ・プレとか、ギヨーム・デュファイとかマニアックな初期ルネサンス期の音楽家は知らん人でも、それよりもっと昔の人であるツタンカーメンは知ってるもんなぁ。

6件のコメント

  • 仰るように音楽は聴いていた時の状況に合わせて、特定の人やら場所やら時期とかなり密接に結びついて残りますね。
    グールドは、モーツァルトもベートーヴェンも弾いています。
    グールドのモーツァルトはぶっ飛んでいますが、何気にベートーヴェンのソナタは「全集録音までもうちょっと」状態で中々クオリティ高いと思います。

  • グールドは、バッハ以外も弾いてるんですね。
    グールドもイジムチの曲もたまたま映画や友人宅にかかっていたりして、その思い出とともにはまってしまって抜け出せないでいます。グールドは面白そうなのでもちょっと開拓してみたいです。

  • グールドの「変な弾き方」はハマるととことんハマってしまいますよね。
    そのグールドのゴルドベルグですが、私はやたらと早い55年版のデビューアルバムよりも、晩年の81年の録音の方がまったりしていて好きです。
    あと彼の演奏ではバッハの「平均律クラヴィーア曲集」や「ブラームス:4つのバラード、2つのラプソディ、間奏曲集」も中々よろしいかと思いますぞ。

  • グールドの曲はこれしか聴いたことがありませんが、この変な弾き方が曲にぴったりで何度聞いても飽きません。
    わたしもイ・ジムチのものを聴いてます。まだクリスマスにはちょっと早いですが・・・私の頭は今真冬だからいいっかぁと・・・
    最近涼しくなってきましたので夜に聴くとしっくりきます。

  • おっとこれはまた古いエントリーにコメントありがとうございます。
    ゴルドベルグ変奏曲良いですよね!特にグールドの演奏が!
    ですよね!ですよね!
    確かにゴルドベルグ変奏曲は「羊たちの沈黙」で使われてましたね。
    「ハンニバル」でもレクター博士がゴルドベルグ変奏曲のアリアをピアノで演奏していたとか。
    バッハの曲でも特にクラヴィーア曲はより一層数学的とも言えそうな構造美を誰の曲よりも感じるような気がします。
    このゴルドベルグ変奏曲も3変奏づつに入っている9のカノンが来る度にアヒャーとなります。
    私もコレッリのクリスマス協奏曲は大好きで、古いイ・ムジチ合奏団のものが愛聴盤です。
    音楽良いですね!
    久しぶりにイ・ムジチでコレッリ聴きます!

  • 大谷大学の「あれから。」より、こちらへ漂流してきました。私もこの音楽が好きなのです。羊たちの沈黙(レッドドラゴンだったかしら?わすれました)のバックにかかっていたのを聞いて虜になりました。バッハの曲は主にチェンバロ演奏用であり、ペダルもないしスピードも強弱も指定していなかったようです。曲も音の追いかけっこが多くて単調そうで、でも音の隙間隙間にまるで雲が太陽を一瞬さえぎったような陰りを感じることがあります。練習曲でも(子供がよく弾く)、長調でアップテンポなのに隙を狙って陰りをみせてくる曲もあるので侮れんなあと思います。最近はこれとコレッリのクリスマス協奏曲ばかり聞いてます。両方とも心の支えになってます。音楽は全くのど素人ですが、好きです。

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