バッハ:イタリア協奏曲 グレン・グールド

グレン・グールドと言えばバッハ弾きでまぁ間違いないけど、ゴールドベルク変奏曲のイメージが強烈に焼きついているせいもあり、その逆命題である「バッハ弾きといえばグレン・グールド」という回路も俺の頭の中で出来上がっている。
そういうわけで、古楽器でもチェンバロでもない、グレン・グールドのピアノでバッハを聴くのは俺の中ではありありである。
このCDでバロックの舞曲(らしい)をグレン・グールドが弾いているわけやけど、舞曲という事で同じ事の繰り返しの多いシンプル曲調が、彼のいかにも内向的な様をありありと示しているようで、なぜかとても落ち着く。ただし鬱な時に聴くと心地よすぎて抜け出せないかも。


amazon ASIN-B0002ZEZU4 CD全体がダウナー系なトリップに誘うかのような趣があるのやけど、特にイギリス組曲イ短調の2番がなんともたまらん、内向的に自分の中に向かって行くかのような演奏は、見えないほどに深い螺旋階段をどんどん下に下りて行くかのようである。
彼のピアノを聴くたびにいつも思うのだが、ちゃんと自己表現として伝わるほどに、自分以外の作曲家が作った曲を弾いているピアニストって余りいないのではないかと思う。

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