日記/雑記/妄談 23 9月 2009 躁な人ごみ そこら中で渋滞がえらいことになっているらしいので、車で出かけるのは止めて自転車で京都駅伊勢丹のラウル・デュフィ展に行った。 駅周辺も異様に人が多い。躁な人ごみを潜り抜けたあとの美術館「えき」の人の少なさと静かな雰囲気がやたらと心地よかった。 この人は顔料を透明にする薬品を共同開発するくらいで、「透明感」てのにやたらとこだわりがあったのだろう。晩年は油絵もパステルな水彩画のように明るく描く人だった。[…] 続きを読む
本 21 9月 2009 三島由紀夫:『三島由紀夫レター教室』/乙女のための本? ISBN-10: 4480025774 毎週木曜日は職場の近くのスーパーで古本市が開催されるので、気が向くと仕事帰りに冷やかしている。 最近は「ひきこもり」だとか「統合失調症」だとかちょっとしんどい本ばかり読んでいたので、この前に箸休めに読むつもりでホメーロス『オデュッセイアー 』と一緒に買ってきていた、三島由紀夫の『三島由紀夫レター教室』 を読んだ。 この本は、五人の登場人物がそれぞれ色々な人物[…] 続きを読む
本 15 9月 2009 勝山実:『ひきこもりカレンダー』/ ひきこもりシャウト / ひきこもりアフォリズム / ひきこもりニルヴァーナへ ISBN-10: 4890361243 最近ひきこもり関連書籍ばかり読んでいるが、続いて読んだひきこもり本は2001年の始めに出版された勝山実:『ひきこもりカレンダー』である。 この本の3年前に出版された『社会的ひきこもり―終わらない思春期』の斎藤環がひきこもりを治療者から見た立場で、この本のおよそ一年後に出た『「ひきこもり」だった僕から』の上山和樹が元ひきこもりの立場から書かれた本だとしたら、こ[…] 続きを読む
趣味 14 9月 2009 エアブラシを衝動買い 家に貰われてきたサーブ君は中古なので所々に子傷がある。 まぁ、傷くらいは別に良いのだが、車体の塗装の三層になっている(と思われる)一番下の下地(だと思われる)部分が見えている傷があるので、ここをもう一度やられると地金まで行ってしまうじゃないか。 ということで、傷の上から塗って傷を埋めるための塗料を買った。とはいってもマイナー車なのでその辺に売っているはずも無く、この車のカラーコードを指定してわざわ[…] 続きを読む
本 13 9月 2009 上山和樹:『「ひきこもり」だった僕から』 / ひきこもり追体験ブック / 世界の中心で「だが断る」を叫ぶひきこもり ISBN-10: 4062110725 2001年に出版された上山和樹『「ひきこもり」だった僕から』を読んだ。先日読んだ斎藤環の『社会的ひきこもり―終わらない思春期』がひきこもり経験を持たない医者である著者の視点から書かれたのに引き換え、この本はひきこもりを脱した(とされる)ひきこもり当事者によって書かれた本であるというところに大きな意義があるらしい。 現在の著者はひきこもり経験をもとにした講演や[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 12 9月 2009 銛の的としての魚、三味線の皮としてのネコ、そして私 「いらん子」として家に貰われて来たそこらじゅう故障だらけでだったサーブ君だが、数々の改造手術を施したお陰で「やれば出来る子」程度には生まれ変わった。とうことで休みになるとこのサーブ君に乗る機会が多い。出来の悪い子ほど可愛いというものだ。 先日、自動車用の工具を探しているうちに、はるか昔に買ったものの塗るのすら面倒臭くて放置していた「ガラコ」が発掘されたので、物は試しと戯れに窓に塗ってみた。 それか[…] 続きを読む
本 11 9月 2009 村上春樹:『1Q84』 / あっさりな、余りにあっさりな /「デタッチメント」から「コミットメント」への移行 ISBN-10: 4103534222 ISBN-10: 4103534230 限られた狭い範囲内で「図書館戦争」と呼ばれるものの先陣を切って首を取り、村上春樹の『1Q84』 を読むことができた。 巷では発売当初に売り切れるほどの勢いで売れに売れたこの本の評判を聞いて、まるでいつの間にかメジャー路線の老若男女を集客しているヱヴァンゲリオンのようだと思ったのは私だけではあるまい。 最近、本にしろ映画[…] 続きを読む
本 8 9月 2009 荻上チキ:『ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性』 / もう何書いても炎上すらしないブログへ ISBN-10: 4480063919 荻上チキ『ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性』 を読んだ。ブログやBBSなどの「炎上」を代表とする、ネット上でよくありがちな現象をベースにネット特有の人間心理や行動パターン、そしてサイバースペース自体のあり方を、サブタイトルにあるように「ネット群集の暴走と可能性」として捉えた本である。 いつもブログを読んでいるひきこもりの人がこの本を絶賛するので読んでみた[…] 続きを読む
本 7 9月 2009 中島梓:コミュニケーション不全症候群 / 生き難い現代への適応の一つの形 ISBN-10: 4480031340 小説家としてのグイン・サーガの作者である栗本薫の評論を書く時のペンネームである中島梓名義で1991年に出版された『コミュニケーション不全症候群』 をずっと読みたかったのだがなぜか機会がなく、彼女の死去を機に読んでみた。 今で言う腐女子、つまりはヤオイだとかショタだとか(正確にはJUNE系というらしい)の文化の基礎を構築しただけでなく、自ら先頭に立って牽引し続[…] 続きを読む