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2009年10月6日

斎藤環『「ひきこもり」脱出マニュアル』 / 「ひきこもり」脱出支援マニュアル / 「ひきこもり」対応マニュアル

 斎藤環『「ひきこもり」脱出マニュアル』を読んだ。
1998年に出版された『社会的ひきこもり―終わらない思春期 』が「ひきこもり」について書いた本だったのに対し、この『「ひきこもり」脱出マニュアル』は「ひきこもり」を如何に解消するかに主眼を置いた本である。
社会的ひきこもり―終わらない思春期 』以後の著者の「ひきこもり」に関する何やかやの蓄積を元に、質疑応答の体裁をとったなかなかに分厚くて内実ともにボリュームある本であった。ボリュームだけでなく全編通してみなぎっている緊張して鬼気迫った思いつめたような雰囲気はなかなかヘビーであった。
内容自体は『社会的ひきこもり―終わらない思春期 』に書いてあることを踏襲しているように思うが、『社会的ひきこもり―終わらない思春期 』がどちらかといえばひきこもり現象とそれに対するスタンスについて書いた本であるのに対して、この本はその内容を元に具体的にどう対処すればいいのかについてのいわば実用的な内容となっていたように思う。


とはいっても、私自身はなんとなく繰り返しや重なる部分が多かったりして、この本をそれほど面白く読めたというわけではなかったけど、現在の時点でのひきこもり当事者がお勧めの本として挙げていることが結構多い。つまり彼らにとって、このように対処されることが好ましいと思えるのだろう。
というわけで、これはひきこもり当事者やひきこもりを理解したいと願う人よりは、ひきこもりの周りにいる、たとえばその親にとって意義のある本なのだろう。そういう意味でこの本は『「ひきこもり」脱出マニュアル』というよりは「「ひきこもり」脱出支援、「ひきこもり」対応マニュアル」と言ったほうがいいかもしれない。



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