モンスター (2003/米=独)/愛ゆえに!の話/シャーリーズ・セロンが「モンスター」

amazon ASIN-B00080KNNQシャーリーズ・セロンが主演しているモンスター (2003/米=独)を観た。
この映画はアメリカで数少ない死刑囚で、娼婦であった連続殺人犯アイリーン・ウォーノスの生涯の映画化であり、この映画のためにを13キロ太って眉毛を全て抜き、特殊メイクを施してウォーノスを演じたシャーリーズ・セロンが話題になったらしい。
この映画はレンタル屋さんの「サスペンス」の棚にあったのだが、
映画はウォーノスが自殺を決意して末期の酒をと入ったバーで少女と知り合い、彼女を好きになることで生きる力と目的と喜びを得てゆく…
的な展開で始まり、売春ばかりで金を稼いでいたウォーノスが彼女と暮らすために堅気になろうとまともに就職活動するも難しくて…
と、最初の三分の一ほどは、ふつーにエエ話っぽくて「これがサスペンス??」ってな感じであった。
まともな教育も職業訓練も家庭も与えられなかった人間が売春をするしか収入を得られないと思うところまで追い詰められて夢も希望も出口が無くなって自殺を決意するも、
あたらな愛を得て自殺を思いとどまった後、その愛を維持するために人を殺すしかなくなるところまで追い詰められてゆく様が描かれるのだが、
これも一つの「愛ゆえに!」の話であろうか。
最期まで、サスペンスというよりはひたすらウォーノスが可哀想な、
愛ゆえに命を救われ、愛ゆえにモンスターとなった一人の女性の生涯の話であった。
またシャーリーズ・セロンもこの映画でウォーノスを演じたことは母親が父親を射殺した過去に向き合う形にもなり、人間としても女優として一つ転換になったらしいが、たしかになかなかに鬼気迫る上に妙に考え込まされてしまう映画であった。


あらゆる一般的な人間の枠組みから外れてしまったウォーノスを指した「モンスター」がこの表題だが、
モデル出身の美人女優であるシャーリーズ・セロンの変身ぶりもある意味「モンスター」という事ですな。
2003年の5月30日公開の『ミニミニ大作戦』で
TheItalianJob.jpg
だった人が、
2003年12月17日公開のこの『モンスター』で
monster.jpg
という風になっている。
このS&WのM686を構えるところはどうであろう?
いかにもマグナム弾を撃つリボルバーがよく似合うではないか。
そしてその4週間後の主演女優賞を受賞する事になったアカデミー賞の授賞式では、
きっちり体重を落して容姿を戻して、
actree2003.jpg
となっている。
2004年9月12日公開の『トリコロールに燃えて』では
HeadInTheClouds.jpg
こんな感じで完全復活。
考えてみれば、シャーリーズ・セロンがウォーノスになれるということは、ウォーノス的容姿なもシャーリーズ・セロンになれるかもしれないということなのかもしれない。
なんつーか、女優魂というか、仕事に対する熱意もとんだモンスターハンターですな。

4件のコメント

  • ういうい。

  • じゃあまた、近々例の店で

  • はい、もう、ぜひどうぞですぞ。

  • これまた興味深い映画ですね。
    観てみたいですな。

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