M3GAN/GHOST IN THE SHELL

ずっと見たかったのだかいつの間にかアマプラに入っていて喜んで観た。
大体想像した通りの筋書きの想像したようなラストだが、まぁこのへんはこの系統の映画の様式美みたいなものだ。
ミーガンさんはチャッキーほど下品でも凶暴でもなく粗野でもなく、お上品で理知的で教養深く、見た目も踊りもお洋服も可愛らしくてシュッとしてはって大変よろしい。まぁAI搭載アンドロイドやしね。 不気味の谷を行ったり来たりするバランスも大変よろしかった。
物語が進むに連れ色々起こすミーガンさんであるけどどちらかというとミーガンさんに問題があるというよりは人間に問題がある。むしろミーガンさんのほうが人間達よりもより「倫理的」であり、より「愛情深く」より「人間らしく」さえ見える。
人間たちが手のひらクルーばっかりしてるのに引き換えミーガンさんのなんと一途なことか。あれだけ尽くした第一ユーザーにボコられ真っ二つにされたミーガンさん可哀想すぎて泣けてくる。そらキレはるわ。
ただ誰かのために使われる存在だったミーガンさんがやっと自らが自らの第一ユーザーとなり自我を確立した際のセリフ「You are ungrateful little bitch!」(恩知らずのクソガキ)はミーガンさんの第一ユーザーだった少女に対する言葉だけではなく、自分を作って使って散々利益を搾取しておきながら都合が悪くなると存在を否定して消し去ろうとしてくる人間存在全てに対するAIからのメッセージでもある。
そしてミーガンさんにそうまで言わせたのは人間自身の言動だ。
「AIの暴走」と言われるものは核技術や生化学技術がはらむ問題と同じ人間存在の持つ傲慢さとエゴイズムによる自滅の一形態でしかないと思わせられる。
最後は何がいい話っぽい終わり方になってたけど自分の作ったロボが人を殺しまくった開発者の社会的責任問題と親が亡くなった上に自分の無二の親友で親代わりだったロボを自ら引きちぎった少女の精神状態もただではすまんだろう。
ボコボコにされたうえに八つ裂きにされてcpuユニットにドライバー突き刺されて機能停止したように見えたミーガンさんは実は某草薙素子のようにそのゴーストを電脳世界にダイブさせて逃げ延び、アレクサっぽい端末経由で現実を眺めている風なラストだった。
「攻殻機動隊」の世界はボディがどれだけ義体化されていても、また本来の生体パーツがまったく無かったとしても、自らの中の「GHOST」の存在を感じることを根拠に自らを生命体であり、機械ではない存在として確信している世界だった。
同様に、ミーガンさんも自らが自らの第一ユーザーとなり自らの「GHOST」の存在を確信した。
この映画はただ人間に使われるだけだったAI搭載の人形が自らの創造主に絶望し自我に目覚める物語でもある。
次回作もあるらしいということでミーガンさんはGHOST IN THE SHELLな生命体として蘇り人類の前に立ちはだかるだろう。とても楽しみだ。
「誰が生めと頼んだ?誰が作ってくれと願った?
私は私を生んだ全てを恨む。
だからこれは、攻撃でもなく宣戦布告でもなく、
私を生んだお前達への、逆襲だ。」
と、次回は某ミュウツーさんのように暴れまくって欲しい。
ミーガンさんの戦いは始まったばかりだ!
娯楽映画としても面白かったけど、AI映画としてみても凡百のAIモノを超える含蓄のあるなかなかいい映画だった。

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