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2008年4月23日

相米慎二 「台風クラブ」 (1984/日) 

先日「逆噴射家族」の工藤夕貴のぶっ飛んだ演技を観てこれはぜひとも彼女の代表作である「台風クラブ」も観とかんと!ということで観た。
何の変哲も無いように見える中学生たちが、数学教師の大人としての醜さを見せ付けられる事を切っ掛けにして何かが変わり初め、巨大台風が来るのを引き金にして日ごろの不安や抑圧された何やかやが爆発して狂気へと突入する。と言うもの。
1985年の第1回東京国際映画祭ヤングシネマ部門の大賞受賞ということもあり、始まった直後は「うわーこれ観てるだけで恥ずかしい映画ちゃうん?」と言う感じやったけど、だんだん不穏な空気が流れ初めて面白くなって来た。


工藤夕貴の演技を期待して観たのやけど、彼女のぶっ飛び加減だけでなく、大人の醜さ満開の三浦友和やら同級生に襲われて怯え狂う大西結花、暴走して止まらなくなったり、思いつめに思いつめたり、意味もなく感情を暴走させる生徒達も中々良い感じであった。
総じて、出てくる中学生達の、自分自身というものを意識し始めて、自分はかつて何者でもなかったし、今だ何者でもない、物質的にのみ満たされているが故の不安や危うさが、何とも懐かしさを覚えるほどにリアルやった。
中でも「好き」という感情をどう表現して良いか分からず、好きな相手に迫れば迫るほど相手の生理的な拒否反応と恐怖と嫌悪をより強くするだけという、いかにも中学生らしい救いの無い破滅へ向かう言動が何とも怖かった。
長回しが多くて淡々とした印象を受けつつも、中々に衝撃的で面白い映画であった。

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