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2008年6月10日

アンドレイ・タルコフスキー 「ストーカー」(1979/露)

ディスク二枚組の中々の長編で、この映画を映画史上一番であると言う人も多い、名作の誉れ高い映画である。
今まで「ストーカー」というタイトルで、一方的に好きになった相手や別れた彼氏や彼女に付きまとうような類の人の話やと想像して二の足を踏んでいたのやけど、レンタルDVD屋さんでたまたま会った時に「エル・トポ」を紹介してくれた某氏が勧めてくれたので観た。
この映画のタイトルや内容もで使うような意味の「ストーカー」とはまったく違う意味で、どちらかと言うと本来の「追跡者」としての意味で使われているようだ。
付近の住民を多数犠牲にするような「何か」が起こった地域を、政府は立ち入り禁止区域と定めて「ゾーン」と呼ぶ。
軍による厳重な警備が敷かれる中、好奇心やさまざまな理由から「ゾーン」に入ろうとする人々を案内する「ストーカー(猟犬)」という人物がおり、その「ストーカー」は科学者と作家の二人に請われて「ゾーン」の奥深くの何でも願いが叶うと言う部屋へと案内する事になる。という感じのストーリーである。


タルコフスキーの映画は以前に「惑星ソラリス」を観てから二本目やけど、確かに雰囲気がとてもよく似ており、「惑星ソラリス」とこの映画は一応「SF」ということになっているらしい。
惑星ソラリスを観た時に、この映画がSFなのは宇宙と宇宙船と星を舞台にしているだけやん。と思ったのやけど、この「ストーカー」に関して言えば舞台設定から小道具に至るまでSFっぽいものは一切無かった。SFとは思えない静かで静的な映像と台詞回しが淡々と続く。何処でも無い世界やからSFって言う事なんやろうか。
前日に観ている最中に途中で寝てしまったけど、この日はちゃんと全部見た。
とは言っても、間違えてディスク二枚組のうちの二枚目を先に見て、次に一枚目を観てしまったのだが…
途中で寝ておきながら言うのも何やけど、寝た割には不思議と退屈さを感じなかった。眠気を感じるのは退屈さと言うよりは心地よさからに因るような気がする。なんか変にトリップするような映像は、「落ち込み系」ではない本当の意味での「ダウナー系」な心地よさであろう。
なんとなく観る前まではロシア版の愛の国ガンダーラを目指す物語で映像美を見せる映画やと思っていたけど、まさか人間の欲求とか幸せとか価値とかそんな話になるとは思わんかった。
意見や価値や目的や利害などの殆どの面で対立する作家、教授、ストーカーの三人やけど、観ていると背反する3人の一人一人の言い分が理解できて共感できるのが当たり前のようで不思議でもある。
人間の深いところを描こうとしたような、海底に寝そべっているようなダウナー系の映画であった。

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Comment & Trackback

「SFっぽいものは一切無いSF」って、おもしろそうですねぇ~。それに人間の欲求とか幸せとか価値とかの話。気になるぅ~。近々観て見ま~す^^)y

おもろかったですよーぜひご覧下され。

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