野田又夫 『パスカル』

amazon ASIN-4004120217以前読んだ『パスカル――痛みとともに生きる』に引き続き、某キノコ先生がお勧めするパスカルの入門書、 野田又夫『パスカル』を読んだ。
絶版になった古い本なので漢字が旧字体であり、頭で新字体に変換しながら読むので中々リズムが取れずちょっと苦労した。たとえば「辯證」が「弁証」だと気づくのに数テンポ遅れて「ん~??あ~ベンショウね」な具合である。
しかしながら内容のほうはとても良かった。著者のお人柄は前面に出さないけど、堅苦しくなりすぎない文章は中々良い感じである。特定の解釈を主張するのではなく、パスカルにとても好意を持ちながらも、なるべくフェアーに全体像を提示しようとするのに勤めているような印象を受けた。


前読んだ『パスカル――痛みとともに生きる』はパスカルの人生と信仰についてに重点が置かれていたけど、この本は数学者、科学者としての彼についても詳しく書いてあった。
その科学者としての彼の業績がとても偉大である事がちゃんと説明されていたからこそ、神の存在は理性には証明できず恩恵によって真実と知るしかない。といった他力的な言葉が重みを持って感じられたのだろう。
パスカルは世界を正義が成り立ち得ない苦しみだけの場として、そこに住む人間を悪でしかありえないとしたけど、そんな彼のペシミスティックな世界と人間の見方は読んでいてとても息苦しいほどに強烈である。
しかしながら、無信仰者を信仰に導くよう説得するために彼は著作を残そうとしたわけで、人間一般に対して何らかの愛を向けていたのだろう。そしてその愛はやっぱり神なる真実への信仰に基づいているところがこの本で良く見て取れたような気がする。
結局、パスカルの思想や人となりについて語ったり知ったりするにあたっては、彼の「信仰」は気っても切れないものであることが良くわかった。
そういうわけで、次はいよいよ『パンセ』かな。

2件のコメント

  • 野田さんのパスカルまで読んだのか‥‥
    ともかく、次はパンセを読むしかないけど、
    あれを読み通した人なぞ、いるのかな?^^

  • はい、旧字体の感じが読みにくかったですが、とても面白かったです。
    仰る様に次はパンセのつもりで『世界の名著 パスカル』を買ったのですが…長いですねぇ…

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