本 30 5月 2007 三島 由紀夫 『奔馬』 (『豊饒の海』 第二巻) ISBN:4101050228 某レディお勧めのシリーズ『豊饒の海』の第二巻『奔馬』を読了。 一巻を読んだ後に直ぐ読み始めていたのだが、最後まで読むのに結構時間がかかったのは、単純に一日や一週間の中の読書の割合が減ったただけで、読んでいる時間自体は結構短かった。 この第二巻は、第一巻の『春の雪』が感情のままに流される美しい青年のはかない美しさを描いていたのとは全く別方向の話で、主人公は一巻の主人公[…] 続きを読む
本 16 5月 2007 三島 由紀夫 『春の雪』 (『豊饒の海』 第一巻) ISBN:410105021X 傭兵仲間の某氏のお勧めの一品である、三島由紀夫『豊穣の海』シリーズの第一部『春の雪』を読了。 この本は「浜松中納言物語」に題材をとる壮大な輪廻転生と夢がテーマの『豊穣の海』の第一巻であり、大正時代の華族と宮家を巡る、世にも美しい公爵の若様とこれまた美しい伯爵の令嬢の禁断の悲恋の物語で、春の雪のようにはかなく美しいものがテーマであるというところであろうか。 恥ずかしな[…] 続きを読む
本 11 5月 2007 ボリス・ヴィアン 『北京の秋』 ISBN:4152002549 ボリス・ヴィアン『北京の秋』を読了。 タイトルと本の内容に全く繋がりがないのがこの作者の特徴であるけれど、この本は北京にも秋にも全く関係が無いが故に『北京の秋』であるらしい。まぁこのへんはなんとなく心和む逸話ではある。 確かに北京にも秋にも全く関係ない話であった。比喩的にもかすりもしなかった。 エグゾポタミーなる砂漠の真ん中の土地に鉄道をひこうという人達の話というこ[…] 続きを読む
本 6 5月 2007 向山 貴彦/宮山 香里 『童話物語』 傭ISBN:4344401298 ISBN:4344401301 兵仲間の某氏が一押しだというので図書館から借りてきて読んだ。 架空の大陸の架空の村に住むひねくれにひねくれて世と人を呪う孤児の少女が、世界は滅ぼすに値するかどうかを査定に来た妖精と出会うところから物語は始まる。 宮崎アニメを彷彿とさせる世界に、どんどん成長してゆくヒロインの少女と少年、少女を家族のように愛する花屋の家族と少女に地図を[…] 続きを読む
本 4 5月 2007 J.M. クッツェー 『少年時代』 ISBN:4622046806 J.M.クッツェー『少年時代』を読了。タイトルからもわかる通り、著者のクッツェーが自身の少年時代を振り返った自伝的な小説として書いたものとされている。 しかしながら、クッツェー自身が自分の小説を語る時に「記憶は捏造される」「あらゆる自伝は物語であり、書かれたものはすべて自伝なのです」などという事を強調している事もあり、この小説に書かれてる外的な出来事や内的な事物がク[…] 続きを読む
本 2 5月 2007 小泉 義之 『レヴィナス~何のために生きるのか』(シリーズ・哲学のエッセンス) ISBN:4140093056 この間から余りのお手軽さに戸惑いを覚えつつも、ついつい手に取ってしまう『シリーズ・哲学のエッセンス』であるけど、今度は『レヴィナス~何のために生きるのか』を読了。 なんというか「何のために生きるのか」という思いっきりなタイトルに惹かれた。市立の図書館で何故か欠本状態だったので、職場の図書館で借りた本である。 で、タイトルにもなっている「何のために生きるのか」と言う問[…] 続きを読む
本 1 5月 2007 ボリス ヴィアン 『心臓抜き』 以前同作家の『日々の泡』を読んだけど、その時は「シュールで耽美で何ともいえん世界」という感じでそれほどのインパクトは無かったような気がする。 でも読んでだいぶ時間がたってもクロエの肺の中に睡蓮が咲くという奇病とか「貧乏人のとむらい」とかの彼の描くモチーフがずっと印象に残ったままどんどん大きくなるような感じで、どうやら私はこの作家が好きらしいという事に気付いた。 ISBN:4151200053 そう[…] 続きを読む
本 29 4月 2007 金森 修 『ベルクソン 人は過去の奴隷なのだろうか』(シリーズ・哲学のエッセンス ) ISBN:4140093080 土偶小屋にはアンリ・ベルクソン『意識に直接与えられたものについての試論 』が最初のちょっとだけを読まれただけで転がっており、これからも恐らく半永久的にそのままであろうと推測されるのだが、ベルクソンに興味があれこそそんな本を買ったわけであり、この『ベルクソン 人は過去の奴隷なのだろうか』(シリーズ・哲学のエッセンス )は職場の図書館で哲学の本棚のあたりをぶらぶらしてい[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 24 4月 2007 『海の名前』 / 時計仕掛けの土偶? 今ISBN:4487797055 日仕事帰りに職場の図書館で本を借り、傭兵仲間と少しばかり話し、まだ明るいうちに帰宅する。 そのうちの一冊は海にまつわる色々な名前をテーマにした『海の名前』という写真集のような本で、いかにも腐女子が「癒し系」と重宝しそうな本であるが、海と魚に過敏反応する私の事であり、読んでいるうちに激しく海に行きたくなってきた。 こと海と魚に関して、土偶は腐女子となんら変わるところ[…] 続きを読む
本 23 4月 2007 J.M. クッツェー『石の女』 ISBN:4883190358 J.M.クッツェー『石の女』を読了。一週間ほどかけて2/5ほど、残りを昨日音楽を聴きながら一気読み。 最近お気に入りの作家であるJ.M.クッツェーがデビュー作の『ダスクランド』の次に出版した本である。 南アフリカの辺境の地主の娘である、男と世間に全く縁が無い孤独なオールドミスが主人公であり、クッツェーらしい複雑な仕掛けが施された226の文章の断片で構成されている。 […] 続きを読む