ロンダルキアへの洞窟

昔何度も何度も定期的に見ていたけど、ここ何年か、たぶん十年近くまったく見ていなかった夢を本当に久しぶりに見て、
そういえば昔はその夢を定期的に見ていたことを思い出した。
その夢というのは「どこかへ向かうために危険な洞窟をたった一人で潜り抜ける」というものである。
何のために何処に向かっているのかは全くわかっていないけど、とにかくその洞窟はむやみに険しくて暗くてジメジメしてて、良く分からない生物と危険と罠がいっぱいであった。
洞窟とは言っても多種多様なトラップが満載なインディージョーンズ的にテンションの高い躁的なものではなく、ドラクエⅡの「ロンダルキアへの洞窟」のようにひたすら陰険な仕掛けと先に進むのはほとんど消耗戦に近いようなハードな道のりが延々と続く類の鬱的なイメージがぴったりの洞窟であった。
一番よく見ていた時はその夢をほとんど数日おき見ていたような気がするのだが、今まで一度もその洞窟を抜けた事は無かった。
洞窟の半ばで目を覚ますか、洞窟を探検していたはずがまったく違うストーリーの夢に移行しているかのどちらかであった。


で、本当に久しぶりにどういうわけか全く脈絡無くその洞窟を夢の中で潜り抜ける羽目になったのだが、いつも洞窟に入ってすぐ首の下まで水に浸かって半ば流されながら渡らなければいけない轟々と流れて身を切るように冷たい地底湖が、
その日に限ってはまったく流れが無く鏡面のように穏やかな水面で、どこかから差し込んだ月の光で洞窟の中が青一色に染まってとても綺麗だった。
凪いだ夜の海に浸かって海面に映った月の光を見る時のように、奥に進まずに首を水面から出しながらその景色に見惚れていたら「なにか必要なもの」を忘れたことを思い出して、取りに帰ろうと思ったところで目が覚めた。
ということで、本当に久しぶりの洞窟攻略も失敗に終わった。というより入ってすぐに奥に進まず自分で引き返えそうとしたのだが…
とにかく目が覚めてなんかとても懐かしかった。
そして不思議なことに今まで一度も疑問に思った事はなかったのだが、私はその洞窟を抜けて何処へ行こうとしていたのだろうか?とふと思った。
洞窟を抜けた先にいったい何があるのだろうか?
今までは苦労して洞窟を抜ければその先に救いと楽園があるのは考えるまでも無く当たり前のような気がしていたので、なんとなくぼんやりとその洞窟を抜けることで「カナンの地」的なところを目指していたような気がしていたように思う。
しかし、実際その洞窟のイメージは「ロンダルキアへの洞窟」であるから、洞窟の先は今までの世界とは別次元の最強最悪のモンスターばかりが生息する銀世界のロンダルキア大地のイメージでであるということになるのでしょうな。
苦労して死に物狂いで洞窟を抜けたからといって、その抜けた先にある世界は「乳と蜜の流れる場所」ではないし、またそこにたどり着いたからといって救いが得られるわけでもない。
苦労して洞窟を抜けた先は、ただひたすら今までと比べ物にならない強烈な苦難と強大な敵が襲い掛かってくる、来てしまった事を後悔するような修羅の国なのでしょうな。
その洞窟を潜り抜けなくても既にその先がどんな世界か知っているような気がするのは妙に不思議である。
そして、そう思うと同時に、明らかに夢に投影されていたとしか思えない昔に抱えていた問題が、解決されたわけでも解消されたわけでもないのに今となってはもう全く問題でなくなっていることに気づいたのであった。

2件のコメント

  • どもども。
    そうそう、それですよー
    年いくのも悪くないもんやと最近思います。ただオッサンになるだけじゃ何の意味も無いけどね。
    確かにふくいちちゃんメチャしよりますなぁ。
    トラマナ憶えないと歩いてるだけでダメージ受けそうですなw

  • ご無沙汰しております。
    これは中々良い夢のエピソードですね。
    今までの人生の至上問題が、一定の期間を過ぎると何をしたわけでもないのに問題にならなくなっている。
    僕も最近、そんな風に感じることが多々あります。
    まぁ、ふくいちちゃんが放射能まき散らしてるのでこれから先の未来は現実的にロンダルキア大地でしょうけどw

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