Waltz for

夜中の3時ごろに体のかゆみで目を覚ます。
部屋の三方向の窓を網戸までフルオープンにして寝てしまったので蚊が入り放題だったようだ。
とりあえず網戸を閉めて体中にムヒとシーブリーズを塗りまくり、蚊取り線香をつけて再び寝入るが、朝早くにとてつもなく嫌な夢で目を覚ます。
起きてしばらくは、風呂に入ろうがご飯を食べようがその嫌な夢の余韻を振り払えずに気分が悪かった。なんとも言えないどんよりとした気分の中、今日を境に自分が34才になっていることに気づく。


amazon ASIN-4003363922昔からの知り合いの某レディーに「最近これ読んでんねんでーほら」と『ツァラトゥストラはこう言った』を見せられた。
一般的なレディー(そうでもないが…)が日常的なレベルからその手の本に対して興味を抱いたり手に取ったりするとはとても思えないので、その本が彼女の手元にある理由は、その本が俺の卒論のテーマだったという以外に無いのだろう。
そう考えるととても嬉しい。自分が良書と誰かを繋ぐ一つの切っ掛けになれたのを感じるのはなんとも言えない。
「そーかー」と言いながら久しぶりに手にとってパラパラめくるととても懐かしい。
殆ど覚えるほど読んだフレーズが頭に流れると、ざわざわっと感情が波立ち、何かがこみ上げそうになる。
これは人前で読むとやばい。久しぶりに一人でじっくり読まねばと思う。
昔出せなかった答えを最近出せたような気になったけど、もう一度考えてみたいと思う。
amazon ASIN-4309203094amazon ASIN-4062749130さらに前から誰かに貸していた筈の、村上春樹『羊をめぐる冒険』のなぜか下巻のみ、チャールズ・ブコウスキー『死をポケットに入れて』が帰ってきた。よくよく考えれば4、5年ぶりになる。どちらも俺の大好きな本だ。
今日で34才になったわけだが、結局何が変わったわけでもないことをひしひしと感じた。
ある種の「懐かしい」と言う感覚は、古い形の自己嫌悪の感情も引き連れてやってくる。
自分の見苦しさや自分の醜さなど見飽きるほど見てきたと思ってきたけど、それでも、この期に及んで見せ付けられるとなんとも言えない。
結局のところこれを追い払うことは出来ないようであり、残された手段はどうすればこいつとうまくやって行けるのか。という所に集約する。
「Aでありたいと望む」事と「Aである」事は全く違うし、「Aである」事は「Aに見える」と言う事とも違う。
少なくとも他人から見た姿である「Aに見える」位はクリアしたい筈だったのだが…
そういう諸々の事が、結局ふりだしからのスタートになってしまったことを感じた。
amazon ASIN-B000066JLOBill Evans 「Waltz for Debby」を聴いた。
今更ながら、やっぱり、Bill Evansとこのレコードが大好きなのを認める。

2件のコメント

  • むむ…お褒めに与りありがたき幸せにござります。その節は大変お世話になりました。m(__)m
    って、何よりもまだ覚えていてくださったことが驚きであります。
    試問の時にS先生に「んじゃ、今考えろ。早よ早よ」って突っつかれた問題があったのですが、今でもまだ考え続けておりますです…
    なんというか、最近こういうことも含めて「縁」て不思議だなとつくづく思います。

  • もう誕生日っていっても嬉しくないわな。
    ちなみに、そのテーマの卒論、
    よ~書けてましたで。
    縦書きで開きにくかったけどね。笑

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