黒澤明「七人の侍」(1954/日)

「有名やけど見ていない昔の映画を見よう企画」と言うことで、実は見た事が無かった『七人の侍』を見た。
amazon ASIN-B000UH4TRS盗賊団と化した野武士に略奪されている村落が、野武士を返り討ちにするために傭兵として侍を雇い、集まった個性豊かな7人の侍が村を率いて野武士と合戦を行う。と言う長い話やけど、まったく退屈しない。中だるみすらない。
砦の場所と味方の数を自白させた敵の捕虜を鍬でもって敵討ちする老婆、落馬させられて逃げまくる野武士に農民が群がって竹槍で刺し殺し、敵の数だけ紙に書き付けた丸印を一人殺すごとに×印をつけてゆく志村喬が中々良い感じに怖い。
単純に戦闘シーンもエグくて良い感じやし、7人の侍や農民のキャラクターも良い感じで、良いも悪いもごっちゃにした人間の姿つーのが良い感じに出ていたように思う。


ドストエフスキーの『罪と罰』は高校出た直ぐ位に読んでもそれほど面白くなくって、結構歳いってから読み直すと面白さが分かったのに引き換え、『カラマーゾフの兄弟』は高校出た直ぐでも今でも読んだ時代に合わせた面白さが出てくると思うのやけど、『七人の侍』はそんな「カラ兄」のように高校生が見てもおっちゃんが見てもまた別の面で心躍りうーんと考えさせられるような面白さがあるように思えた。
しかし、私なら、半数を弓部隊に仕立てて柵で足止めされてる所にロングボウのごとくに矢の雨を。とか、折角敵軍の種子島を2丁鹵獲したんやから、スナイパーの一人や二人配置するな。とか、とりあえず敵の進入路にトラバサミ地雷を多数、自陣近くに振り子式丸太発動のワイヤートラップを仕掛けつつ、木陰に馬の足を引っ掛ける縄を手動で引っ張るように農民を伏せておくな。とか時代考証とか武士道とか無視した奇策ばっかり考えてた。

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