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2008年1月11日

ヤン・シュヴァンクマイエル 「オテサーネク」 (2000/英=チェコ)

先日観た「アリス」が中々に気に入ったので、同じ監督であるヤン・シュヴァンクマイエルの「オテサーネク」を観た。
チェコの「オテサーネク」なる民話を下敷きにした物語で、不妊症に悩む妻を喜ばそうと、赤ん坊の形に切り出した木の根っこを妻に見せる夫と、これを本当の赤ん坊のように扱って自分の子として溺愛し始める妻を中心に物語は始まる。
赤ん坊のように扱われるうちに木の根は命を持って動き始め、恐ろしい食欲で周りのものをどんどん食べ尽くしてゆく。
パッケージからはちょっとポップな印象を受けるけど、何でこのシーンがパッケージになっているのか全く不可解なくらいに中身は全く別物。
冒頭の、赤ん坊を水槽から網ですくって量り売りをするシーンで一気に期待が高まるものの、シュールさはその方向性とは別の方向にエスカレートしてゆく。


木の根っこでしかない赤ん坊を溺愛する妻と、赤ん坊の服を着せられた木の根っこの怖さを筆頭に、やたらと野菜を育てている夫婦のアパートの管理人、いつも性に関する本ばかり読んでいる少女、その少女を見かけるとメガネをかけてまじまじと見る老人、登場人物は皆そろってなんとも生理的な気味の悪さと怖さを持っている。
さらに、一般的に醜いものとして扱うとダメなものををわざと生理的な不快感を抱くように撮るのがこの監督の趣味なのか、赤ん坊と食べ物はグロテスクなものとしか見えず、物を食べるシーンは更に気持ち悪く、さらに人の顔と口元のアップが多用されて、生理的な所から来る不愉快さを感じる。
なんというか「キモ可愛い」を焦げ付くまで煮詰めたような映画であった。個人的には結構好きな感じである

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