最近写真をよく見ているのだが、その中で梅佳代の写真がとても気に入っている。
彼女はデビュー作『うめめ』 を8万部売って一躍時代の寵児となったらしい。
読んだのはその『うめめ』 『男子』 『うめ版 新明解国語辞典×梅佳代 』 の三冊であるが、中でも二番目の写真集である『男子』 』がとてもお気に入りである。
その『男子』 』は、
男子は
ばかで
無敵で
かっこいいです。
をコンセプトに近所の小学生の「男子」を撮った写真集である。
ヘン顔や脱力しているところやカッコつけたり遊んだりしている写真を集めたこの写真集は、バカさと主観的無敵さが遺憾なく発揮されたこの時代の男子を見事に撮っていると思う。
そういえば私も小さいころは無駄に地面に寝転んだり塀によじ登ったり狭いところに入ったりしたし、カメラを向けられればカッコつけたりヘン顔作ったりしたなぁと、読みながらクスクス笑った。

どちらかと言うとこの梅佳代という人の撮る写真は、「街で見かけた可笑しいモノ」なVOW的なものであるが、綺麗なものも可愛いものも、汚いものも醜いものも可哀想なものも、何かしら衝撃的であるという意味で同じであり、そこを「笑える」という基準で選んだような印象を受ける。変にアート気取りでなく妙に笑える写真はとても好感が持てて、「人間」の笑える側面を見事に切り取ってるなぁと思った。
なんというか、この人の写真を見ていると、自分も写真を撮りたくなってくるのであった。