池田清彦 『初歩から学ぶ生物学』

enzian氏ブログで紹介されているお勧め本と言うことで、読もう読もうと思っているうちに延び延びになっていたものの、やっとこさ読んだ。
と言うことでenzian氏のブログの該当エントリはこちら
内容は一般向けの生物に関する本や新聞記事を興味を持って深く読みこなす素養がつく位の、生命論、生態学、発生学、進化論、分子生物学などなどの話題。
いきもの好きなのでかなり楽しく読めたが、そうでない人も楽しく読めるだろう。
著者の言うように、ちゃんと読めばちゃんと理解できる話やけど「へぇ~」とか「ほぉ~」とか感心する事しきりだった。


amazon ASIN-404703357X生態学は結構好きで色々読んだけど、遺伝とか進化とかの話は高校レベル-αで止まっているので、獲得形質が表現系として遺伝するとか、ゲノムの変異はランダムでないとか、大腸菌を人工進化させたとか聞くと「えぇっ??」とかなりびっくりする。
一章の「生命についての素朴な疑問」はわかったつもりになっているような生命観とか環境観を根本の方から揺さぶるものであるし、遺伝、進化、免疫機能などの話も上手い事出来てるな~と感心するしかない。
こういうのをずっと読んでいると「有性生殖」に関わる問題や、獲得形質やら表現系の過不足で悩んだりするのが余りに馬鹿馬鹿しくなって来るし、わかったつもりになっていることがやたらと多く、如何に自分は便宜的な理解をしていたのかと思う。
後半では癌、エイズ、狂牛病のメカニズムも説明されており、巷をにぎわす話題もふんだんで生物学の基礎素養も身につくこの本はお得だと思われる。

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