「ジャック・マイヨール」と「自殺」と「あちら側」

「ジャック・マイヨール」と「自殺」と「あちら側」

ISBN-10: 4062061473 最近「死」についての本をやたらと読んでいると以前のエントリで書いたが、私にとってもっとも不可解な「死」、しかも「自殺」がジャック・マイヨールの首吊り自殺である。 ジャック・マイヨールと言えば一般的にはリュック・ベッソンの映画「グラン・ブルー」のモデルとなった人して有名であろうか。 人類として素潜りで初めて100メートルを超えた人物であり、イルカや鯨に見られる[…]
中沢正夫『「死」の育て方』/カジュアルに死を語る/きたときに考えればいい

中沢正夫『「死」の育て方』/カジュアルに死を語る/きたときに考えればいい

ISBN-10: 4795811628 中沢正夫の『「死」の育て方』を読んだ。 前のエントリもそうであるが、最近「死」についての本をやたらと読んだり、ブログや何やらで人が「死」について書いているようなものばかり読んでいたのだが、その中の一環ということになろうか。 本の紹介の 精神分裂病の名医にして名文家の著者が綴る“死の育て方”。50歳代に入った医師は、ふと「普段着で寝ころがって読んでもらえるよう[…]
『遺書―5人の若者が残した最期の言葉』/山田花子の『自殺直前日記』の意義/死者は美化されるのか?

『遺書―5人の若者が残した最期の言葉』/山田花子の『自殺直前日記』の意義/死者は美化されるのか?

ISBN-10: 4344405420 先日『遺書―5人の若者が残した最期の言葉』なる本を読んだ。 遺書を残して自殺した若者五人の遺書の内容、その遺書への家族による返信、自殺した当人の家族や友人のインタビュー、そして自殺に至った背景などを丁寧に取材して書いてある本であった。 この本は25歳にならない若者達ばかりの編集プロダクションverbなる集団によるもので、本文中にその編集者がやたらと前面に出て[…]
雨宮処凛/メンヘラ->ミニスカ右翼->ゴスロリ左翼->明日はどっちだ?

雨宮処凛/メンヘラ->ミニスカ右翼->ゴスロリ左翼->明日はどっちだ?

ISBN-10: 4822808777 ISBN-10: 4480423974 最近雨宮処凛の本を七冊ほど読んだ。特に面白かった二冊がコレ。 この雨宮処凛って人はゴスロリの格好で労働問題をやっている人で、『BIGISSUE』でコラムを持っている『自殺のコスト』の著者でちょっとしたメンヘラというくらいに知っていたのだが、そこに至るまでの道のりもいろいろあったようだ。 簡単に言うと、小さいころから親や[…]
笠原嘉『退却神経症―無気力・無関心・無快楽の克服』

笠原嘉『退却神経症―無気力・無関心・無快楽の克服』

ISBN-10: 4061489011 最近ずっと『チボー家の人々』を読んでいたあいだに読まれずに溜まっていた本のうち、お気に入りの笠原嘉の本を一冊読み終えた。 講談社現代新書の『退却神経症―無気力・無関心・無快楽の克服』である。 退却神経症ってのは、本来やらなければならない本業からの撤退・果たすべき社会的責任は放棄するものの、何もかもやる気がなくなるのうつ病とは明確に違って、本業ではない副業・趣[…]
神谷美恵子『生きがいについて』/むしろ生きがい系書籍に拒否反応を示す人に

神谷美恵子『生きがいについて』/むしろ生きがい系書籍に拒否反応を示す人に

ISBN-10: 4622081814 神谷美恵子の『生きがいについて』を読んだ。 マルクス・アウレリウスの『自省録』は、かなり昔から、私が20歳くらいのふた昔は前からの愛読書の一つであるのだが、神谷美恵子という人は、その『自省録』の翻訳者でもある。 彼女は大学ではずっと文学を学び、ある時から医学部に転部して、最終的には精神科医になり、生涯の使命として、彼女自身の生きがいとしてハンセン病患者の治療[…]
手塚治虫 『ブッダ』 / 最初から最後まで苦しむ聖者/知ったかぶらないブッダ

手塚治虫 『ブッダ』 / 最初から最後まで苦しむ聖者/知ったかぶらないブッダ

ISBN-10: 4267890021 いってもここ一年か半年くらいの話であるが、読んでいなかった昔の漫画を読むようになった。 『カムイ伝』とか『バビル二世』とか『エリア88』、『デビルマン』、『サイボーグ009』、『火の鳥』とかそんな感じの古い漫画を片っ端から読んでいて、世間で神のごとくに崇められている手塚治虫がほどそれほど面白いのか?むしろ大して面白くないのではないかと思っていたのだが、『ブッ[…]
高橋竹山『津軽三味線ひとり旅』 / 終わらない上向/究極のアナログ

高橋竹山『津軽三味線ひとり旅』 / 終わらない上向/究極のアナログ

ISBN-10: 4122018293 読みかけて忘れていた、高橋竹山の『津軽三味線ひとり旅』をやっとこさ全部読んだ。 昔からこの高橋竹山の三味線は好きで良く聴いていたのだが、こんな自伝的な本まであるのを知ったのは最近である。 その高橋竹山なる人は2歳にならないうちに麻疹から視力を失い、16歳で独り立ちして門付けで日々の生活をおくっていたのが、60才も半ばで行った渋谷にある小劇場での若者相手のライ[…]
雨宮処凛『自殺のコスト』 /自殺のリスク /「金がかかるから死ぬな」と言える

雨宮処凛『自殺のコスト』 /自殺のリスク /「金がかかるから死ぬな」と言える

ISBN-10: 4872336445 雨宮処凛の『自殺のコスト』 を読んだ。 この本は2001年に発行された少々古い本であるが、人が自殺した場合に、自殺するまでにかかる費用から、残された人が幾ら払い幾ら貰うか、また、未遂してしまうとどれくらいの費用がかかってしまうのか、などといった損益計算を想像しうる限りの場合を想定して解説してある。 筆者自体が自殺未遂を何度かしているというせいか、当事者にしか[…]
『奇界遺産』/私だけの真善美

『奇界遺産』/私だけの真善美

ISBN-10: 4767808987 この『奇界遺産』なる、世界中のぶっ飛んだ建物や施設や人ばかりを集めた、分厚くて大きな写真集、始めて本屋さんで見た時、帯に漫☆画太郎先生の「そろそろ自殺しようと思ってたけど、この本見てたらワクワクしてきて来年に延期した!」 という言葉が書いてあって、ちょっと興味を引かれて中をぱらぱらめくって見ただけでかなりの衝撃を受けた。 一瞬買おうかと思ったけど、3800円[…]
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