本 7 3月 2009 アーサー・C・クラーク『幼年期の終り』 / 私はまだSF読み幼年期? /UFO党の言いたいことが分った ISBN-10: 4150103410 SF史上の傑作として名高いアーサー・C・クラークの『幼年期の終り』を読んだ。SF界に燦然と輝く傑作だと言われるだけあって文句なしに面白かった。 人類の進化と滅亡について書かれたこの作品は、映画やSFだけでなく純文学やなどを含む、後のさまざまなジャンルのさまざまな作品に抜きがたい強烈な影響を与えた作品であるらしい。 色々な出版社から色々な版が出ているが、私が読[…] 続きを読む
本 27 2月 2009 ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』 ISBN-10: 448866301X しばらく私の本読みテーマは「SFを読もう」と言うことでSF界の名作であるジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』を読んだ。 ハードSFなる分類に入る硬派なSFという前知識で読んだけど面白くて二晩で読了した。 月面調査隊が月の洞窟内で赤い宇宙服を着た人間の死体を発見する。 科学者たちによる分析の結果、その死体は5万年前のものであることが分り、彼が身につけている[…] 続きを読む
本 20 2月 2009 ロバート・A・ハインライン 『夏への扉』 ISBN-10: 4150103453 先日『世界の中心で愛を叫んだけもの』を読んでSFが読みたくなったので、SFの名作に必ず名があがってくるロバート・A・ハインラインの『夏への扉』を読んだ。 1957年に出版されたこの本は、ガンダムのモビルスーツの概念の原型で、スターシップ・トゥルーパーズの原作であるハードなイメージのあるSF『宇宙の戦士』を書いた作者の柔らかい目の物語であり、「猫SF」や「猫小[…] 続きを読む
本 17 2月 2009 世界の中心で愛を叫んだけもの / SF開眼? ISBN-10: 4150103305 先日ジュンパ・ラヒリの『停電の夜に』を読んで、家に読まれずに転がっている短編集を読んでみようと言う気になったので、大学生だったころから友人に借りっぱなしの形になっている、SF界で有名なハーラン・エリスンの『世界の中心で愛を叫んだけもの』を読んだ。 短編集の割には400ページ超のなかなかに分量のある本だった。 日本語訳が1979年に出たこの本は、オリジナルが1[…] 続きを読む
本 12 2月 2009 ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』 / 短編集であるが故の構成 ISBN-10: 4102142118 「寝る前読書」でジュンパ・ラヒリのデビュー作の短編集『停電の夜に』を読んだ。 元は1999年にアメリカで出版され、それが2000年に「新潮クレストブック」として出たものであるが、私が読んだのはそれが文庫化されたものである。 この中に入っている『病気の通訳』で1999年にオー・ヘンリー賞、『停電の夜に』でヘミングウェイ賞、ニューヨーカー新人賞、ピューリッツァー[…] 続きを読む
本 30 1月 2009 ジュール ヴェルヌ 『神秘の島』 / 漂流してるようには見えない遭難者 / ISBN-10: 4834007278 ISBN-10: 4834007286 先日ジュール ヴェルヌの『海底二万里』(1869年)を読んで「ネモ船長」の運命と、なぜ彼がああいった人になってしまったのかがとても気になった。 その秘密が明かされる続編にあたるという1874年発表の『神秘の島』を読んだ。 読んだ本は少年少女向けの「福音館古典童話シリーズ」なる単行本のうちの二冊で分厚いハードカバーの挿絵[…] 続きを読む
本 22 1月 2009 ジュール ヴェルヌ 『海底二万里』(岩波文庫) / ネモ船長は正義か? ISBN-10: 4003256948 ISBN-10: 4003256956 前からずっと読みたかった、ジュール ヴェルヌの 『海底二万里』をやっと読むことが出来た。 この少年少女向け冒険小説である『海底二万里』は様々な出版社から翻訳されて出版されているけど、私が読んだのは朝比奈 美知子訳の岩波文庫版である。 この岩波文庫版を選んだのはただ目に付いただけで特に理由は無い。岩波文庫のほかには創元S[…] 続きを読む
本 12 1月 2009 ジャン=アンリ・ファーブル 『ファーブル植物記』 / ただ知的好奇心のみ / サン・レオンの英雄 ISBN-10: 4582766242 ISBN-10: 4582766277 ジャン=アンリ・ファーブルの『ファーブル昆虫記』が世に出る10年以上前に、同じ著者による子供向けの啓蒙書として出版された『ファーブル植物記』を読んだ。 『昆虫記』が余りにも有名なので『植物記』の存在もちょっとした雑学的にそれなりに知られているけど、『昆虫記』がどちらかというと児童書的な扱いを受けているせいか、子供のころ[…] 続きを読む
本 29 12月 2008 青木やよひ著『 ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の探究 決定版』 / 新しいベートーヴェン像(私にとっては) / フェミニズム視点からの〈不滅の恋人〉の探究 ISBN-10: 4582765998 年末年始の長期貸し出しということで借りてきた中の一冊、青木やよひ著『 ベートーヴェン〈不滅の恋人〉の探究 決定版』を読んだ。 ベートーヴェンの死後に秘密の引き出しから発見された有名なラブレターの宛先である〈不滅の恋人〉が誰であるのかは、昔から研究の対象になってきた。 タイトルの通りこの本は〈不滅の恋人〉に対する今までの研究の歴史的な概略を示し、現在ではほぼ定[…] 続きを読む
本 2 12月 2008 ルードルフ・オットー 『聖なるもの』 ISBN-10: 4422130056 ルドルフ・オットーの『聖なるもの―神的なものの観念における非合理的なもの、および合理的なものとそれとの関係について』を読んだ。本当は読み終わって一ヶ月くらいたっているけど、中々に格のある本なので中々に適当なことを書けずに今に至っている。 で、いったん書き始めるとやたらと長くなってしまった… 著者であるルドルフ。オットー(1869年~1937年)はドイツプロテ[…] 続きを読む