スター・ウォーズ エピソードI ファントム・メナス / ネタバレありき

amazon ASIN-B00005NNBV スターウォーズエピソード4から6の旧三部作を観たので、ダース・ベーダーがなぜ「ダース・ベーダー」となったのかが語られるという、エピソード1から3の新三部作を観た。
ということで、まず旧三部作から16年振りの1999年に公開された「エピソード1/ファントム・メナス」を。
タイトルの「Phantom Menace」は「見えざる脅威」やけども、その脅威とは後の銀河皇帝ダース・シディアスが色々と悪巧みを始めるところを指すのだろう。なんというか「通商連合」というところが、悪代官と悪徳商人的な雰囲気であった…
時代的にエピソード4の32年ほど前の話で、そのダース・シディアスの悪巧みと、ジェダイがまだ沢山いたころのジェダイ騎士団組織のシステム、そしてアナキン・スカイウォーカーの少年時代と彼が如何にジェダイに弟子入りするかという話であった。
ネットではなぜか面白くなかったと言う人が多かったけど、私はとても面白かった。


恐らくこのエピソード1に始まる新三部作を観る人は、このアナキン・スカイウォーカー少年、オビ=ワン・ケノービ、またはジェダイ騎士団と銀河共和国をはじめ登場人物達とその社会のたどる運命を殆ど知っているはずなので、この映画は構造的に映画としてはもっとも不利である筈の「ネタバレ」を前提として観られることになっている。
旧三部作の公開当初はダース・ベイダーの正体や、ダース・ベーダーの最期に、観客は驚いたり感動したりしたらしいけど、この新三部作は旧三部作の世界観が浸透しきった後に「ネタバレありき」でその過程を映像化されたようなものなので、旧三部作のような完全オリジナルの初出の脚本が映画化されるのではなく、「原作の映画化」に近いものがあるだろうし、そして、このアナキン・スカイウォーカーを中心とする新三部作は、見る人間に対して、スターウォーズを文字通りの国家間の「宇宙戦争」と捉えず、ダース・ベイダーの物語として捉える切り口を必然的に強要することになってしまうのだろう。
この旧三部作からの時間的な開きがこれだけ大きいと期待と妄想が膨らみに膨らむだろうし、また中心となる見方がある程度固定してしまったことも、批判が噴出した要因のひとつだろう。期待が大きければ大きいほど失望も大きいというわけである。
普通の一般人でしか無かった人が、いつの間にか祭り上げられて活躍してしまうような映画やら小説やらが多い中、絶対的で圧倒的な「選ばれた者」が一般人を巻き添えに立ち回る、旧式の神話的物語はやっぱりいいものだ。と思った。
旧三部作からすれば「スターウォーズ外伝」とも言うべき同人誌的な要素と、小学生でもわかるような娯楽映画の要素が上手くミックスされていたと思う。

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