映画:「アンダーワールド」「アンダーワールド2 エボリューション」 / ゴシック青い怪物君 / 種族差より個人差
なんとなく「アンダーワールド」とその続編「アンダーワールド2 エボリューション」を観た。
吸血鬼であるヴァンパイアと狼男族であるライカンスロープの千年にもわたる抗争は現代でも続いており、優勢のヴァンパイア族はライカン族を絶滅に追い込むべく日々ライカン狩りを行っていた。
地下鉄で狩ろうとしたライカン族に激しい抵抗にあったヴァンパイア族の戦士である主人公は、彼らが地下で群れ紫外線弾などで武装する強力な組織になりつつあることを感じてヴァンパイア族の首領に一斉にライカン族を攻めるべきだと主張するも却下され、単独で捜索を開始するうちに彼らが何かしらの目的を持って動いていることを突き止める。
という感じで物語は始まる。
ヴァンパイアとライカンといえばなんとなく聞こえは良いけど、「吸血鬼」と「狼男」と書いてしまうととたんに「怪物君」を思い出すのは私の年代だからだけではないだろう。
いろいろな怪物が出てきて暴れまくる、ある意味「ゴシック青い怪物君」であった。
古典的で古い題材を使ったゴシックな雰囲気に青い画面でハイテク武器での戦闘の取り合わせが面白かった。
ヴァンパイアは「吸血鬼」、ライカンは「人狼」ではなく「狼男」と訳されているので「狼女」はいないのがちょっと残念といえば残念。ヴァンパイアもライカンも咬むだけで感染して種族を増やすことができるので有性生殖は必要ないということだろうか。
主人公が一応ヴァンパイアなので、ヴァンパイアを正義とした物語で話が始まるものの、ヴァンパイアとライカンの正邪が逆転するという単純な構造でなく、どちらが正義で悪か見分けがつかなくなるようなつくりが以外に面白かった。
とはいっても、主人公が正義であるのは映画的に前提条件くらいになっているのでそこがつまらんといえばつまらん。
結局、ヴァンパイアだのライカンだの人間だのといった種族の違いとか立場の違いというより、個人差とか個人の資質による差が一番大きいというのは我々の日常生活と同じである。