ヤン・シュヴァンクマイエル 「アリス」 (1988/チェコスロバキア)

amazon ASIN-B00077DAYEヤン・シュヴァンクマイエルの「アリス」 を観た。言うまでも幾度と無く映像化されたりミュージカルになったりしているルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の映画化である。
しかしながら、一応子供向けとされている原作に引き換え、実写とコマ撮り人形アニメで構成されたこの映画はとてもグロテスクな悪趣味さを持っている。なんというか原作の持つ倒錯した部分を別の方向に捻った感じで、ジャケットでもその不気味さが存分に出ているけど、隅々にまで気を使った悪趣味さがこたえられない。
悪趣味な映像が連続する中、アリスを演じる女の子が妙に可愛らしいのが余計にグロテスクである。
取っ手が抜ける度に分かっていながらもクスクス笑ってしまう。
どこかでのこの映画を「不気味の国のアリス」と評していた人がいたけど、なるほどそんな感じである。
私の中でチェコ映画と言えばなんとも言えない不気味なグロテスク無さを持つ「ファンタスティック・プラネット 」であるけど(アニメやけどね)、この「アリス」も同じような臭いがした。
チェコスロバキアというのはこういう国民性なのやろか?さすがはフランツ・カフカを生んだ国やなぁと妙に納得した。

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