肉体の軽蔑者の軽蔑者 日記/雑記/妄談

肉体の軽蔑者の軽蔑者

『ニューロマンサー』を読み終わり、『新訳 ドン・キホーテ 後編』に取り掛かる。 サイバネティクス技術とサイバースペースが取り巻く世界から、異端審問とムスリム弾圧の風が吹き荒れる近世スペインのギャップに違和感を覚える。 サイバネティクとサイバースペースを世界の前提にした『ニューロマンサー』が「サイバーパンク」なら、物語の中だけの話だといわれる高邁な騎士道精神なる理想を推して立てて体現しようとする遍歴[…]
ウィリアム・ギブスン 『ニューロマンサー』

ウィリアム・ギブスン 『ニューロマンサー』

ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』を読了。 1984年に発表されたサイバーパンクなるジャンルや流れを作り出したSFの古典であり、SFの文学賞を多数獲得しているように人気や影響力は高く、SF小説に限らず後の様々な作品の原型となっている。 そっち系に特に思い入れがあるわけでもなく、全く詳しくない私でも、マトリックスという名のサイバースペースと聖域としてのザイオン、脳に直結された埋め込み式のプラグ[…]
内ガンダーラにジャック・イン 日記/雑記/妄談

内ガンダーラにジャック・イン

「お天気メールを見るたびに土偶さんを思い出してます。」と年賀状に書いてあり激しく胸キュンだ。「また遊びに連れてってください。」と書いている人が数人いるも、どちらかというと俺のほうが遊びに連れて行って貰っているのだが…と思う。 つくづく去年は内に籠るような自己完結型の自分勝手な生き方をしていたなと反省すると同時に、何でこんな俺にみんな親切にしてくれるのだろうと不思議に思うよりも有難く思う。 来年のこ[…]
ミゲル・デ・セルバンテス 『新訳 ドン・キホーテ 前編』

ミゲル・デ・セルバンテス 『新訳 ドン・キホーテ 前編』

現在でも比喩として使われる事の多い古典中の古典、ミゲル・デ・セルバンテス『新訳 ドン・キホーテ 前編』を読了。 騎士道物語の読み過ぎで頭がおかしくなって自分を騎士だと思い込み、世の中の全てを騎士道物語の世界に置き換えて見る中年から老年にさしかかろうとする地方貴族「アロンソ・キハーナ」が「ドン・キホーテ・デ・ラマンチャ」と名乗り、痩せた駄馬「ロシナンテ」に跨り、皇帝になったあかつきには伯爵にしてやる[…]
21世紀もブリアレーオだらけ 日記/雑記/妄談

21世紀もブリアレーオだらけ

今日も引き続き『新訳 ドン・キホーテ』の世界に浸る。 浄瑠璃、長唄などの邦楽をラジオで聞きながら読んでいたのだが、妙に勘違い騎士道物語の世界にしっくりきた。 前編の序盤にも関わらずどんどん酷くなるドン・キホーテ・デ・ラマンチャの扱いに同情する。 思ったよりエグくて痛々しい物語やなこれは… もはや比喩として使われるのでさえ古臭い『ドン・キホーテ』なんかをこの時代に読む意味がはたしてあるのか? それこ[…]
元旦企画「ミニプチミクロボイジャー計画」 日記/雑記/妄談

元旦企画「ミニプチミクロボイジャー計画」

12月31日のエントリに書いたような事を繰り返して書くのも何やけど… 新年のお慶びを謹んで申し上げます。 2007年も土偶StaticRouteと土偶をなにとぞよろしくお願い申し上げます。m(__)m いきなり日付詐称エントリから始まる元旦である。 朝から『新訳 ドン・キホーテ』を読み始める。 騎士道物語の読み過ぎで頭がおかしくなり、自分が騎士だと思い込んで現実の全てを騎士道で置き換えてバカな事ば[…]
An die Freude 日記/雑記/妄談

An die Freude

今日、このエントリで丸一年間毎日休むことなくこのブログに投稿したことになる。 日付詐称や本の感想やコンピューター関係の記事での「埋めエントリ」こそあれ、開設当初に目指していた1日1エントリは達成した。 書くことがある日も無い日も、ノリノリの日もとてもそんな気分じゃない日も、ネタを熟成させる間も無く思いつくまま感じるままを、入力された情報を脳で処理せず脊髄で突き返したように投下したので、このブログが[…]
ベルナール・ウェルベル『蟻』 『蟻の時代』 『蟻の革命』

ベルナール・ウェルベル『蟻』 『蟻の時代』 『蟻の革命』

ベルナール・ウェルベルの『蟻』『蟻の時代』『蟻の革命』を一気読み。 それぞれ3冊が連続した物語になっており、「蟻」と「人間」の世界、その二つの世界を説明し補完するような架空の書物「相対的かつ絶対知のエンシアクロペディア」からの引用、と三つの物語から構成されている。 フランスで科学雑誌の記事を書いていた著者が、蟻が好きで好きでたまらないという情熱を全て傾けた末に生み出されたこの物語のメインはやはり蟻[…]
アントな気分 日記/雑記/妄談

アントな気分

一昨日、昨日と『レダ』と言う名の「重い重いSF風ライトノベル」の世界にどっぷりつかっていたが、今日からはベルナール・ウェルベルの『蟻』シリーズを読み始め、「蟻」の世界にどっぷり浸かる。 かろうじで「留守番」という接点でのみ外界とつながり、ひたすら蟻の世界に没頭する。この本は面白すぎる。 一日で割り当てる事が可能な時間の全てを本を読むのに使い、頭の中は蟻に埋め尽くされる。 本、本、ひたすら本。薬物や[…]
栗本薫  『レダ』

栗本薫 『レダ』

二日かけて栗本薫 『レダ』を読み終えた。 初版は1983年、今から20年以上前の本であり、文庫本にして三冊分、二段組のハードカバー600ページほどと中々長大な物語だった。 この作者は私が読み続けている『グインサーガ』の作者でもあり、この作者とこの作者の書くものはSFかライトノベルとカテゴライズされるようだ。 人が人を生むことは無く、全ての人間は工場の人工授精により人口胎盤から生まれる、人の帰属先は[…]
PAGE TOP