カルトと言われるSF映画二つ

amazon ASIN-B00006AFZ6amazon ASIN-B00005R22R「有名やけど見ていない昔の映画を見よう企画」はまだまだ続く。リドリー・スコット監督の「ブレードランナー」、テリー・ギリアム監督の「未来世紀ブラジル」を観た。どちらもそのスジではカルト的な人気を集めている近未来SFである。
『ブレードランナー』はなぜか『ニューロマンサー』の映画化やと思い込んでいたけど、実際の原作はフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』である。
「サイバーパンク」で表される未来都市の文化や風俗を形づくる世界観の元となったようで、確かに『ニューロマンサー』の町はこんな感じやった。
『指輪物語』が「剣と魔法の世界」の基盤となったように、この『ブレードランナー』は「サイバーパンク」な近未来SFの文化の基礎になったと言う意味で歴史的な意味合いを持つ映画なんやろうね。
テーマとしてはアンドロイドと人間の区別はどこにあんねんという話から、人間てなんだっけ?というところだろうか?
一方『未来世紀ブラジル』はコンピューター的で官僚的で統制された社会をアナログなデータ端末とデータセンター、シュールな小道具で長い悪夢のように描いていた。
夢オチというか全く救いの無い結末やけど、良く考えれば何処から何処までが妄想で現実なのかまったくわからん。クスクスっと笑いつつもエグくてシュールでくらくらする怖い映画であった。
この映画は二つともディストピアな未来を描いているわけで、クリーンで希望的観測に包まれたSFや未来観を真っ向から否定しているなぁと。確かにカルトになる要素はよーくわかった。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。

PAGE TOP