ミハイル・カラシニコフとソ連/カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男

ミハイル・カラシニコフとソ連/カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男

この年末年始で色々な方が亡くなったけど、結構ビックリした割りに世間的には殆ど注目されていない人の一人に、史上もっとも大量に製造され拡散している小銃である「AK-47」の設計者である「ミハイル・カラシニコフ」氏がいる。   彼が設計し、彼の名が冠せられたAK-47(Avtomat Kalashnikova-47 、47年式カラシニコフ突撃銃)は第二次大戦での対ドイツの自動小銃として着想され[…]
新覚羅顕琦『清朝の王女に生れて』/復讐しない岩窟王/自らを守る「ポジティブシンキング」

新覚羅顕琦『清朝の王女に生れて』/復讐しない岩窟王/自らを守る「ポジティブシンキング」

新覚羅顕琦『清朝の王女に生れて 日中のはざまで』を読んだ。 SISBN-10: 4122041392 この本は清朝10代目の親王である愛新覚羅善耆が辛亥革命によって旅順に逃れていたときに生まれた末娘である新覚羅顕琦なる人物による自伝である。 彼女は子ども時代は旅順で、大学は留学先の学習院で日本式の教育を受けていたということで日本にとても親近感を抱いており、この本も日本語で書かれた。 大学を日本で過[…]
デニス・プレガー『ユダヤ人はなぜ迫害されたか』/ユダヤ的知性とは二律背反から生まれる知性か?

デニス・プレガー『ユダヤ人はなぜ迫害されたか』/ユダヤ的知性とは二律背反から生まれる知性か?

デニス・プレガー『ユダヤ人はなぜ迫害されたか』を読んだ。 SISBN-10: 4895861392 この本は「ユダヤ人」が太古の昔から現代に至るまで迫害され続けている一番の根本原因は非ユダヤ教徒によるユダヤ教そのものに対する反発と憎悪であり、一般的に理解されているような、キリストを殺したから、金持ちだから、優秀だから、スケープゴートが必要だったから、といった理由ではないことを、様々な時代や国やイデ[…]
信仰者は電化マイルスの夢を見るか

信仰者は電化マイルスの夢を見るか

中山康樹『マイルスに訊け!』を読んだ。 この本は「またお前か?」と言われるほどに彼の生涯にわたってマイルス・デイヴィスにインタビューし続け、彼の言葉を日本に紹介し続けた著者による「帝王マイルス・デイヴィス」の語録集のようなものである。 SISBN-10: 4872577930 マイルス・デイヴィスは私の一番好きな音楽家の一人なので、この語録を一言一言読むたびに彼の格好良さが伝わってきてたまりません[…]
半島を出よ/内なる異端者の存在を承認するということ

半島を出よ/内なる異端者の存在を承認するということ

村上龍つながりということで、『半島を出よ』を読んだ。 SISBN-10: 4344410009 SISBN-10: 4344410017 分厚い文庫本2巻構成なのだが、これも一気に最後は完全に徹夜して数日で一度に読みきったくらいに面白かった。 ストーリは財政や経済が破綻し国際的に孤立した日本に対して、対米親和路線をとり始めていた北朝鮮が、反米意識を保持する保守派の部隊を粛清する意図もこめて福岡に送[…]
真山仁『ハゲタカ』/白馬に乗ったハゲタカ王子

真山仁『ハゲタカ』/白馬に乗ったハゲタカ王子

経済小説を読もう企画第2段ということで真山仁の『ハゲタカ』を読んだ。 SISBN-10: 4062753529 SISBN-10: 4062753537 バブル崩壊後の大量で巨額の不良債権を抱えた金融機関の債権に、外資系投資ファンドが死肉に群がるハゲタカのごとく群がって安値で買いあさり、破綻寸前の企業や金融機関を次々と買収してゆく様を書いた小説で、実際に起こった事実に基づいて構成されているようだ。[…]
村上龍『愛と幻想のファシズム』/過去の近未来である現代から未来の問題を見る

村上龍『愛と幻想のファシズム』/過去の近未来である現代から未来の問題を見る

ここ最近は新書ばかり読んで小説を殆ど読んでいなかったのだが、一週間ほど前になぜかスイッチが入って「経済小説」と呼ばれるジャンルのものを立て続けに読んだ。 まず最初は村上龍の『愛と幻想のファシズム』について。 SISBN-10: 4061847392  SISBN-10: 4061847406 作者である村上龍は昔から好きな小説家の一人で『希望の国のエクソダス』や『コインロッカーベイビーズ』あたりが[…]
私の知らない世界 日記/雑記/妄談

私の知らない世界

前日の寝る前に、解離性障害に関する本、『解離性障害―「うしろに誰かいる」の精神病理』を読み始めた。 SISBN-10: 4480063838 一般的な精神的な病に関する本はある意味で「怖い」のだが、この本は「解離」に良くある症状、鏡に映っている自分は自分じゃないような気がする、鏡を見ると自分の他に誰かが写っている、窓の外や押入れの向こうやドアの向こうに人の気配を感じる、眠りつこうすると誰かが忍び寄[…]
ジャネじゃないけど

ジャネじゃないけど

兄者と呼ぶ友人から「ジャネーの法則」について書いてほしいじゃねー。とういう意味のことを言われたので、よっしゃ書いてみるかーと決意し、その前にとりあえずピエール・ジャネの本でも読んでみることにした。 図書館でピエール・ジャネ『心理学的自動症―― 人間行動の低次の諸形式に関する実験心理学試論』ってな本を見つけたのだが、 SISBN-10: 4622077582 借りようと思って手に取ったところ、物理的[…]
波戸岡景太『ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア』/やっぱり原典に当たるしかない。

波戸岡景太『ラノベのなかの現代日本 ポップ/ぼっち/ノスタルジア』/やっぱり原典に当たるしかない。

前回のエントリーで売れている文庫本の20%超はライトノベルで、この数字は本好きとしては無視してはいかんものでは無いのか?と言うことを書いた。 とうこともあり、にわかにライトノベルに対する興味が出てきたのでラノベといえばコレの『涼宮ハルヒの憂鬱』でも読んでみるか。 という勇気はまだ無いので、とりあえずライトノベルについて書かれた新書を読んでみた。 トマス・ピンチョンなどのアメリカ文学や文化論が専門ら[…]
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