もうすっかりお気に入りのJ.M. クッツェーが1980年に書いた『夷狄を待ちながら』を、半分は日曜日にうつらうつらしながら夢うつつ状態で、残り半分を風呂で半身浴しながら読んだ。 原題は「Waiting for the Barbarians」という事で、アマゾンの紹介を引用すると、静かな辺境の町に、二十数年ものあいだ民政官を勤めてきた初老の男「私」がいる。暇なときには町はずれの遺跡を発掘している。そ[…]
レベッカ・ブラウン『若かった日々』を読んだ。 父と母を失い、自分がレズビアンであると認識した現在から見た場合の「若かった日々」、つまりは母と父に関する事、自分がレズビアンなのに気付く事に関する自伝的な連作短編集。 三島由紀夫と志賀直哉に代表されるように、まぁ、よくあるテーマではある。 原題である「The end of Youth」の地点に収束する「若かった日々」を語る事で母の人生と死を受け入れ、自[…]