『この国で戦争があった』

『この国で戦争があった』

色々な業界の著名人38人の戦争についての体験を書いた文章を集めた本。 昨日読みながら寝たものの、今日起きてから残りを読んだ。 一人の人間が「戦争」について深く詳しく語ろうとするのはどうしても質的なものになって書き手の傾向に沿った僻説が入りがちやけど、色々な個人にとって「戦争」がどういうものだったかをその人個人の視点から書いてある文章が多数集まっているのは、文章の量が個人の質的な純化よりも量的な集積[…]
阿部和重『グランド・フィナーレ』

阿部和重『グランド・フィナーレ』

阿部和重の作品は今までに一冊だけ『インディヴィジュアル・プロジェクション 』を読んだことがあるだけで、この『グランド・フィナーレ』で二冊目になる。 内容はどうしようもない(とされる)ロリコン男の話である表題作の「グランド・フィナーレ」を中心にした、架空の町「神町」で展開する物語群、いわゆる「神町サーガ」なるものの中篇+短編集と言える構成で、2004年下半期の芥川賞受賞作である。 アマゾンやらweb[…]
グインサーガ110、波風立たず 日記/雑記/妄談

グインサーガ110、波風立たず

一人で黙々と弛まなく絶え間なく働き、予定どおりの領域を予定通りの時間で制圧。丸一日働いて誤差は10分と上々。 まぁ丸腰の都市を爆撃機で空襲するような作業ではあったけど、とにかく計画通り物事が進むと言うのは気分が良い。 しかしここでしか通用しないと言うのが最大の難点ではある。 グイン・サーガ 110巻が10月発売と言うことで仕事帰りに買って帰り、夕食後に一気読み。 酒もタバコも嗜まず、金曜日だと言う[…]
ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』

ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』

ビート・ジェネレーションとやらを代表する作品でありその中でももっとも有名な(やと思われる)ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』を読了。 映画にもなった有名な本やけどまだ読んでなかった。 ビート・ジェネレーションなる範疇に入る作家は以前にジャック・ケルアックを読んだことがあり、これと同じ様な感じかなと思っていたけどまったく違った。 麻薬中毒の幻覚や混沌としか言いようのないイメージが「カットアップ」なる[…]
ロビン ノーウッド『愛しすぎる女たちからの手紙』

ロビン ノーウッド『愛しすぎる女たちからの手紙』

一週間ほど前に読んだ『愛しすぎる女たち』の続編に当たる『愛しすぎる女たちからの手紙 』を読了。 この本は「手紙」って言うくらいなもんで『愛しすぎる女たち』が出版されてから著者に送られた読者からの手紙のいくつかに答える形で、色々な立場の人の症例や快復過程を「依存症」の見地から解説している。 前作は「恋愛依存症」やら「愛しすぎ症候群」なるものが病気であるという認識と、そこから快復できるという事実を提示[…]
『愛しすぎる女たち』

『愛しすぎる女たち』

ロビン ノーウッド著『愛しすぎる女たち』を読了。 内容は恋愛依存症について、中でもついつい「ダメ男」をわざわざ選んで別れられずにどんどん不幸になって行くタイプの女性、つまりは「愛しすぎる女」についての精神構造とか、それが病気であるとか、こういう風に男から逃げましょうとか、そういった話。 お前は病気だ、とかお前は間違ってる。とか言うだけの本でもなく、ただの告白本でも啓蒙本でもなかった。 量的には多い[…]
グイン・サーガ 109巻

グイン・サーガ 109巻

いつの間にか発売されていたらしく、仕事帰りに買って夕食後に読んだ。 後書きで作者自身が言っているように、作者自身が楽しんでいるのが伝わってきたし、読んでいる方も楽しかった。 この本を読むのは高校前からの習慣になっているので、読むとやっぱり時間が流れているのを感じる。 この世とまったく違う時間が流れ、全く違う人たちが生きているのを感じられる世界があるというのは良いものだ。 現実にあるはずのどこか他所[…]
村上春樹『羊をめぐる冒険』

村上春樹『羊をめぐる冒険』

これも下巻だけ某氏に貸していたもので、数年ぶりに読んだ。 村上春樹が専業作家になって初めての小説で、「鼠三部作」の完結編であり、ストーリー的に「ダンス・ダンス・ダンス」へと続く作品でもある。 「僕」が「鼠」と羊の関わる陰謀に巻き込まれることで始まる「羊をめぐる冒険」のストーリーテリングと、彼独特の言い回しや世界観で読者を飽きさせずに最後まで引っ張ってゆく。 彼の小説の中でかなりの人気の上位に入る本[…]
チャールズ・ブコウスキー『死をポケットに入れて』

チャールズ・ブコウスキー『死をポケットに入れて』

某氏に貸し出していたまま4、5年が経過していたはずだが、果たして彼女は読んでくれたのだろうか? まぁ、当時は本を貸すという行為に意味があったので、読んでくれたのかそうでないかは今となっては大した問題ではない。 いずれにせよ数年ぶりにこの本が家に帰ってきたので、なんとなく読み始めるうちに引き込まれてしまった。 本の内容は、作者が最近買ったコンピューターに向かって、死までの数年を日記体裁で綴って行くと[…]
パウロ・コエーリョ『ピエドラ川のほとりで私は泣いた』

パウロ・コエーリョ『ピエドラ川のほとりで私は泣いた』

密かに俺が「ブラジルのこえぴょん」と呼んでいる、またしてもパウロ・コエーリョの著作、『ピエドラ川のほとりで私は泣いた』を読んだ。 このパウロ・コエーリョの本は古本屋に行くとなぜか100円の棚に収まっているのが目に付き思わず買ってしまう事が多い。 で、そういう感じでついつい買ったこの本。 真実の愛(恋?)とやらに落ち、人生の意味とやらを見いだし、そしてその人を失う?というお話。 作者お得意のスピリチ[…]
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