映画:「ラストデイズ」 / 真綿で首を絞める系?
ガス・ヴァン・サント監督の撮った映画を2002年の「ジェリー」、2003年の「エレファント」と観た後に、次に撮った「ラストデイズ」 (2005/米)も観た。
有名なロックバンド「ニルヴァーナ」のリーダーである「カート・コバーン」をモデルにして、彼が麻薬の矯正施設から抜け出して自殺するに至る最後の二日感を描いたもの。ということらしいけど、恥ずかしながら私は「ニルヴァーナ」も「カート・コバーン」も知らなかった。
手法としては前作の「エレファント」と同じく主人公と主人公を取り巻く人達の視点から観た、同じ事実を並列的に映像として見せるものであるけど、前作の描いていたものが視点となった人の日常であったのに対し、この映画で個々の人の視点で描く対象となっていたのは明らかに主人公であるところが違う。
主人公の視点で主人公を見た視点はやたらと内向的でナイーブな中々に辛そうなところを感じるのやけど、主人公に対する興味の無さがはっきり伝わってくるような、周りの人の主人公を観る視点のあまりのあっさりさのコントラストとあいまってからやたらと迫ってくる。
主人公と主人公を取り巻く人達のモデルとなっている「ニルヴァーナ」と「カート・コバーン」にそれなりに詳しかったり好きだったりする人は、中途半端に彼に似せているところが気に入らんかったり面白く無かったりするようやけど、私は全く知らなかったのでそんな事は何も感じなかった。
主人公のどん詰まり感と、彼を取り巻く人々の視点の冷たさとかどうでもいいや度が妙にリアルだったし、
ひたすらダウナー系の海の底テンションで最初から最後まで徹底していた。
やたらと静かで画面の切り替りが少なく長回しの多い映像が、妙にじわじわと迫ってきて息苦しい緊迫感のある映画であった。
この「ラストデイズ」と前作の「エレファント」はパッケージの写真が良いやね。
ちんこには、偽インギーさん!
私は「ラストデイズ」の人は知らんかったので「エレファント」をメインに観ました。
確かに娯楽とリアルは中々相容れないところがありますなー
いやいやー参考にして頂いて恐縮です。
こんちには、土偶さん!
私もこの3本、最後の「ラストデイズ」見たさに見たのですが「ライスデイズ」より「エレファント」が印象に残りました。
リアル過ぎて娯楽映画でない楽しめない映画でしたが、何か得るものはあったように思います。
相変わらずの良い解説、参考になりましたぁ~!