ヴィンセント・ギャロ「バッファロー66」(1998/米)

amazon ASIN-B00005FPTM「有名やけど見ていない昔の映画を見よう企画」ということでヴィンセント・ギャロの「バッファロー66」を観た。
しかしながらこの映画はどうもそれほど有名ではなかったらしい。周りの人で知ってる人や観た人がほとんどおらんかった。どちらかと言うと「その筋では有名な映画を観よう企画」と言うくらいの感じか。そのスジがどんなスジかはわからんけど。
ストーリーは5年ぶりに刑務所から出てきた男が両親に電話をかけて、結婚相手を連れてゆくと嘘をついてしまい、たまたま近くにいた少女を拉致して妻のふりをさせるものの、少女は男の中身や過去を知るにつれて男を好きになってゆくという話である。


主演のギャロの演じる男はスタイルが良くてブーツと革ジャンとジーパンが似合うオサレさんの割りに見事なバカでかつダメ人間で痛々しいうえにとてもナイーブ。『ライ麦畑』のホールデン少年を更に世間知らずにして世の中が生きにくくてしょうがなくしたような感じである。
拉致される少女を演じるクリスティーナ・リッチも決して美人タイプではなく、ムチムチでかつケバケバしい化粧が下品にならず逆に好感を持てるところがなんとも可愛らしくてとても良い感じだった。
結構だらだら目に痛々しいコメディータッチに話が進むけど最後の方はとてもほっこりする。そして余りにあっけないラストカット(シーンでない)がとても気に入った。
なんかひたすら変なところにヒットする、しかも後からじわじわ来る良い映画だった。
そりゃ「そのスジ」ではカルトな人気を集めるやろう。「そのスジ」がどこかは相変わらず分からんけど。
この映画は監督、脚本、主演、音楽すべてを、プロ・ボーラー、バイク・レーサー、画家、ミュージシャン、モデルなどいろいろな顔を持つビンセント・ギャロなる御仁が担当している。
当初ミニシアター向けに作られたメジャー路線に乗らない映画だったけど、公開されてから話題を呼んで、一躍ギャロの名を世間に知らしめる事となったらしい。とはいっても、当然私はこの映画を観て始めて彼の名前を知ったわけやけど。
私がこの映画を知ったのは、数年前に同じ職場にいたB氏がこの映画を好きだと言っていたからであるのやけど、確かにこの映画の主人公の他人との距離の取り方とかナイーブさがとてもB氏に似ているように思えるし、彼が何故この映画を好きなのかもとてもよく分かるような気がする。一体彼は今どうしているのだろうか。

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