カーティス・ハンソン 「L.A.コンフィデンシャル」(1997/米)
「L.A.コンフィデンシャル」観た。以前ごら氏に進められて観ようと思っていたのやけど、レンタル屋さんにはビデオだけでDVDが無かったのでビデオで観た。
米アカデミー賞で史上最多タイ記録となる11部門を受賞した「タイタニック」と同じ年に公開されたおかげで、同賞2部門のみの受賞となったけど、見た人の殆どが褒める評判のいい映画である。刑事を演じたラッセル・クロウとガイ・ピアースの出世作にもなったらしい。
ストーリーはロサンゼルスで起こった被害者に元刑事を含む殺人事件を発端に、個性ある三人の刑事が色々な物語にかかわってゆくというもの。
ストーリーも演出も役者も素晴らしい、まさに映画らしい素晴らしさを持った面白い映画であった。
警察組織を「公営のヤクザ」と呼ぶような見方があるけどまさにそんな感じであった。拷問はあるは私刑はあるわ「おーすげー」である。
特にラッセル・クロウの尋問シーンは滅茶苦茶であまりにヤクザで大笑いである。疑いなく「正義」といえるような刑事が誰一人としていないのがなんとも良い。それでいて警察がこうであってくれれば頼もしいなと思わせる描き方も素晴らしい。
そして、主演女優賞を取ったキム・ベイシンガーは自らは何も語らずに、結果としてラッセル・クロウに陰謀を巡る真実を教える事になるわけで、そのあたりの構成もうむーと感心した。
ガイ・ピアース、ラッセル・クロウ、ケビン・スペイシーのお互いに食い合わない三者三様のキャラの立ち方がよかった。
ごら氏の言っていたケビン・スペイシーの死に際の演技と死んでからの演技はすざましいまでに凄かった。
新米のガイ・ピアースが成長して最後に自分の悪さだったものを正義のために使うところはグッと来るものがあった。
なによりも三人が三人とも何らかの形で報われているのも良かった。
これといった欠点が皆無の、面白い上に中々に深い、そんな映画であった。