「AVP2 エイリアンズ VS. プレデター」

avp2.jpg レイトショーで「AVP2 エイリアンズ VS. プレデター」を観て来た。
前作で宇宙船に回収されたプレデターの腹から出たエイリアンが増殖することで宇宙船がアメリカの片田舎に墜落し、そこからエイリアンが外に飛び出してゆく。その事態の収拾にプレデターが一人、偉そうにおっとり刀で繰り出してくるというもの。
予告編にあるような高校生の恋の鞘当やハンティングに勤しむ親子やイラク帰りの母を持つ親子や人情保安官を巡る物語はエイリアンとプレデターが暴れるための土台である。美味しいスープを作るための鶏ガラや豚骨に過ぎない。良い出汁ほどラーメンが美味しいのである。
これは殺したらあかんやろという人間がフラグも脈絡もなくあっさり惨殺される様は良かった。そうそうあくまで主役はプレデターだもんよ。
エイリアンとプレデターの人間を巻き添えにしまくるおバカなアクションを期待していたけど、どちらかと言うと「エイリアン1」のようなモンスターパニック映画になっていた。期待していた面白さの方向とは違ったけど、映画としてはとても面白かった。


自分を海中のプレデターと自認する土偶は大のプレデター好きであるので、余りにも不注意すぎるプレデターにハラハラであった。人間に背後を取られるプレデターなんかダメダメである。思わず「志村!後ろ後ろ!!」と言いたくなった。でもいかにもどん臭そうに走るプレデターはとても可愛らしかったし、「エイリアン多すぎやん。参ったなぁ…」と言う感じも可愛らしかった。
余りに増えすぎたエイリアンでもって広げすぎた大風呂敷をどう閉じるのかと思っていたけど、えーそれは無いやろー。と言う感じであった。プレデターとエイリアンのボスのタイマンラストバトルの終盤、最後の最後で二人が「ん??」となる感じが面白かった。
難を言えば、暗闇と雨の中行われるアクションシーンが何をやっているのか良くわからない。出てきたものが一瞬エイリアンかプレデターかの区別がつかないのだけがちょっと残念。
前作のエイリアンVSプレデターがバカ過ぎで面白すぎたので、同じ方向のアクション系B級バカ映画を期待したけど、これはこれで良いんじゃないやろうか。プレデターも出てくるモンスターパニックという事でとても面白かった。
何よりも高校生やろうが麗しい親子やろうが人の良い保安官やろうが妊婦やろうが乳児やろうが人間は等しく、エイリアンの前ではただのエサであり、プレデターの前では狩り甲斐戦い甲斐の無い下等動物でしかない感じが良く出ていた。
それになにより次回策を期待させる作りにもなっていた?
年末という事で客層はバラバラだった。後ろ一列はちびっ子二人を連れた家族連れでエイリアン出てくるたびに「ギャッ」とか「ヒャッ」とか驚いて、始終「あ!プレデター」とか「手裏剣や!!」とか五月蝿かった。草創期の西部劇か東映漫画祭りじゃないねんから静かに観照させて頂きなさい。と。
前の二人は日本人離れした髪の色のカップルでやたらとイチャイチャ。お互いの肩に頭を乗せあって頭の位置がやたらと低くて画面は見やすかったけど、この映画はそういう雰囲気になる映画じゃないやろう。もうなんでもいいんかいと。
そのカップルの隣はやたらとハイテンションないかにもヲタな二人組み。人が死ぬたびに笑いそうな勢いで最後の大風呂敷を閉じるシーンでは手を叩いて大喜びしていた。B級バカ映画好きなんやろうなぁ…気持ちは良くわかるけどはたから見てるとイタいなぁと言うのが良くわかった。
関係ないけどチケット売り場のお姉さんが「エイリアンズ ばーさす プレデター」とちゃんと発音してたのが面白かった。

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