「春にして君を想う」 (1991/アイスランド=独=ノルウェー)

amazon ASIN-B000197MOW「春にして君を想う」を観た。三国合作と言う事になっているけど、映画の中の舞台もアイスランドで、オリジナル音声もアイスランド語であり、当然アイスランド映画と言う事になるのだろう。
「アイスランド映画」を観たのは恐らく初めてであるけど、この非日常が当たり前のように混入された静かで不思議な雰囲気がアイスランド映画なのだろうか?私の中でアイスランドといえばビョークなのやけど、なるほどビョークっぽいと言えばビョークっぽいかも。
ストーリーは訳あって都会の老人ホームに収容される事になった80才を控えた老人が、老人ホームで再開した幼馴染の女性の願いをかなえるべく、貯金を全て下ろし、スニーカーを買い、老人ホームを脱走し、ジープを盗んで、今は人が住まない自然に包まれた故郷の島を目指すといったもの。
邦題はちょっと微妙な感じやけど、アイスランド語の原題の英語訳は「Children of Nature」でまさにそんな感じである。
殆ど言葉を交わさない老人二人が、アイスランド特有?の木が殆どない何処までも続く草原とお花畑のくらくらする様な景色に何とも映える。
一見景色と音楽の美しさを愛でる映画だという感じやけど、明らかな非日常に突入した後半からの雰囲気が何とも変なポイントを直撃しまくりである。老人が慣れた手つきで鋸を引き、カンナをかけ、釘を打って棺桶を作るシーンはなんともたまらん。
感動しているわけでも悲しい訳でも無いけど、なんか妙に心を揺さぶる良い映画であった。

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