ヴェルナー・ヘルツォーク 「小人の饗宴」(1971/独)
2008年5月3日
ドイツ郊外の施設に収容されている小人症の人間達が日頃の待遇に対する不満を爆発させて暴動を起こす。慌てて施設の教師は彼らの仲間の一人を人質に取って建物に閉じこもるものの、余計にエキサイトした彼らは当たりかまわず火をつけ、目に付くものを破壊し、動物を虐待し、盲目の双子を苛め、と彼らの暴走はどんどんエスカレートして行く。
映画としては小人症の人間たちがひたすら楽しそうに暴れまくるだけで、ストーリもなんもあったもんじゃない。
ずっと商業ベースに乗せずに個人上映会でのみ観られていた作品であるらしいのはなんとなくわかる。ある種のタブーにダイレクトに触れているからやろう。
以前からレンタル屋さんで見かけるたびに気にはなっていたものの、なんとなく借りるのを躊躇していた。しかしながらけど、「アギーレ 神の怒り」のヴェルナー・ヘルツォーク監督と言う事でこれは是非とも借りんと言う事で観た。
この映画を楽しめるかどうかは彼らの度が過ぎた悪ふざけを一緒に笑えるかどうかによるだろう。生きたニワトリを物のように投げたり、鉢植えの花にガソリンを注いで火をつけたり、テナガザルを十字架に磔にしたり、食べ物を投げあったり、等と今撮るとかなり問題になりそうな映像がかなり多いけど、小人症の彼らがやる事でなんとなくコミカルな味付けになっているところがミソである。。
言わば生き物や食べ物への虐待であるけど、まぁ映画やしねーと笑うしかないやろう。
何とも言えない破壊衝動が炸裂しまくりの映画であったし、最後の跪く駱駝の前で息を切らせながら無理やりに笑う主人公っぽいおっちゃんの映像が変に強烈であった