ミュージアム 11 12月 2013 クヴィエタ・パツォウスカーとチェコの絵本展/新チェコ的とは何か? 美術館「えき」KYOTOで開催されている「クヴィエタ・パツォウスカーとチェコの絵本展」に行って来た。 この展覧会はクヴィエタ・パツォウスカーなる人の作品を中心として、チャペック兄弟などの「チェコの絵本」の魅力に迫ろうとする趣旨のもので、この夏に「クヴィエタ・パツォウスカー展」をやってた「安曇野ちひろ美術館」の全面協力を受けた企画展という感じになるだろうか。 チェコといえばCz75やVz61といった[…] 続きを読む
ミュージアム 2 12月 2013 大原美術館に行く/間口が広く奥も深い/美術品を観るとは何か? 岡山に行く用事があったので、時間を作って倉敷の大原美術館に行って来た。今まで一度も行ったことが無くずっと行きたかったのだ。 大原美術館は1930年に、実業家の大原孫三郎がスポンサーとなって援助していた洋画家の児島虎次郎に託し収集した多ジャンルの美術工芸品を展示するために、まだ日本に「美術館」なる概念が殆ど無かった1930年に開館した、西洋美術、近代美術を展示する美術館としては日本最初の伝統ある美術[…] 続きを読む
本 19 11月 2013 新覚羅顕琦『清朝の王女に生れて』/復讐しない岩窟王/自らを守る「ポジティブシンキング」 新覚羅顕琦『清朝の王女に生れて 日中のはざまで』を読んだ。 SISBN-10: 4122041392 この本は清朝10代目の親王である愛新覚羅善耆が辛亥革命によって旅順に逃れていたときに生まれた末娘である新覚羅顕琦なる人物による自伝である。 彼女は子ども時代は旅順で、大学は留学先の学習院で日本式の教育を受けていたということで日本にとても親近感を抱いており、この本も日本語で書かれた。 大学を日本で過[…] 続きを読む
本 18 11月 2013 デニス・プレガー『ユダヤ人はなぜ迫害されたか』/ユダヤ的知性とは二律背反から生まれる知性か? デニス・プレガー『ユダヤ人はなぜ迫害されたか』を読んだ。 SISBN-10: 4895861392 この本は「ユダヤ人」が太古の昔から現代に至るまで迫害され続けている一番の根本原因は非ユダヤ教徒によるユダヤ教そのものに対する反発と憎悪であり、一般的に理解されているような、キリストを殺したから、金持ちだから、優秀だから、スケープゴートが必要だったから、といった理由ではないことを、様々な時代や国やイデ[…] 続きを読む
ミュージアム 15 11月 2013 「近代京都画壇を育んだ人たち」@京都市学校歴史博物館 先日、特別展「近代京都画壇を育んだ人たち」が開催されている京都市学校歴史博物館に行ってきた。 この「京都市学校歴史博物館」は以前に2回ほど行った事があるような気がするけど、今回の特別展では私の大好きな日本画家の福田平八郎もいくつか出展されているというのでこれはぜひ行かんと。と言うことで足を運んだのだ。 ここは博物館といいつつももともと学校だった建物をそのまま利用しているので、こんな感じにノスタルジ[…] 続きを読む
本 12 11月 2013 信仰者は電化マイルスの夢を見るか 中山康樹『マイルスに訊け!』を読んだ。 この本は「またお前か?」と言われるほどに彼の生涯にわたってマイルス・デイヴィスにインタビューし続け、彼の言葉を日本に紹介し続けた著者による「帝王マイルス・デイヴィス」の語録集のようなものである。 SISBN-10: 4872577930 マイルス・デイヴィスは私の一番好きな音楽家の一人なので、この語録を一言一言読むたびに彼の格好良さが伝わってきてたまりません[…] 続きを読む
本 29 10月 2013 半島を出よ/内なる異端者の存在を承認するということ 村上龍つながりということで、『半島を出よ』を読んだ。 SISBN-10: 4344410009 SISBN-10: 4344410017 分厚い文庫本2巻構成なのだが、これも一気に最後は完全に徹夜して数日で一度に読みきったくらいに面白かった。 ストーリは財政や経済が破綻し国際的に孤立した日本に対して、対米親和路線をとり始めていた北朝鮮が、反米意識を保持する保守派の部隊を粛清する意図もこめて福岡に送[…] 続きを読む
ミュージアム 28 10月 2013 レオナール・フジタとパリ展/やっぱりパリのあんちゃんはすげぇや! 京都伊勢丹の「藤田嗣治渡仏100周年記念 レオナール・フジタとパリ 1913-1931」展に行って来た。 藤田嗣治なる画家は日本ではそんなに有名じゃないかもしれないけど、フランスではもっとも有名な日本人画家の一人だそうである。 彼は第一次世界大戦直前にパリに渡り、すぐにパリの寵児としてもてはやされ、第二次世界大戦でナチスがパリを占領する直前で日本に帰った。 戦時中は戦争画家として徴用されたものの[…] 続きを読む
本 21 10月 2013 真山仁『ハゲタカ』/白馬に乗ったハゲタカ王子 経済小説を読もう企画第2段ということで真山仁の『ハゲタカ』を読んだ。 SISBN-10: 4062753529 SISBN-10: 4062753537 バブル崩壊後の大量で巨額の不良債権を抱えた金融機関の債権に、外資系投資ファンドが死肉に群がるハゲタカのごとく群がって安値で買いあさり、破綻寸前の企業や金融機関を次々と買収してゆく様を書いた小説で、実際に起こった事実に基づいて構成されているようだ。[…] 続きを読む
本 19 10月 2013 村上龍『愛と幻想のファシズム』/過去の近未来である現代から未来の問題を見る ここ最近は新書ばかり読んで小説を殆ど読んでいなかったのだが、一週間ほど前になぜかスイッチが入って「経済小説」と呼ばれるジャンルのものを立て続けに読んだ。 まず最初は村上龍の『愛と幻想のファシズム』について。 SISBN-10: 4061847392 SISBN-10: 4061847406 作者である村上龍は昔から好きな小説家の一人で『希望の国のエクソダス』や『コインロッカーベイビーズ』あたりが[…] 続きを読む