日記/雑記/妄談 1 4月 2008 新訳『カラ兄』を読み始める 昨日から新訳のカラマーゾフの兄弟を読み始める。 借りる時にホンマに期限内に読み切れるか?と弱気になったので1、2、3+5巻を借りた。 4巻が抜けているのはなぜだというご質問にお答えすると、本来は1、2、3巻だけ借りるつもりだったのやけど、5巻の「カラマーゾフ万歳」の大好きなシーンだけはどうしても読みたかったからである。ご理解いただけたであろうか? ゾシマ長老のキャラにちょっと違和感があるものの、私[…] 続きを読む
本 31 3月 2008 アウグスティヌス 『告白』 山田晶訳(世界の名著 14) ISBN:4124000944 古代から現在に至るまでのキリスト教の最大の教父であり続け、西洋世界に多大な影響を及ぼした偉大な神学者であるアウグスティヌスの自伝という事になるのやけど、当然「自伝」なるものに良くありがちな自己満足的で自己顕示的なものでない。 自分自身の幼年期から北アフリカの小さな町ヒッポの司教に至るまでの人生と罪をそして彼が今何を考えているかを神と人々の前で告白するという趣旨で書か[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 30 3月 2008 非カップル分化圏が心地よい雨の日曜 昼に起きて焼きそばを作って食べる。塩胡椒ベースで味をつけ、オイスターソースで旨味を加える塩焼きそばも中々堂に入って来たと思う。 街に出てCD-Rを買い込んだ後、夕方前からバナナの樹が店先に生えているカフェでケーキとコーヒを。壁の一面全て使った棚に情報誌から絵本から料理本から自転車カタログから旅行本までの色んなジャンルの本がびっしり。カップルばかりの無駄にオサレなカフェと言うよりは一人か友達同士が多[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 29 3月 2008 星を見て穴に落ちたくない。と思った洋風野点 アウグスティヌス『告白』の感想を書くためにメモを見ながらちょっと読み返していたのだが、それだけでとても感動した。 例え世界に醜く見るに堪えない人間がいるとしても、いちいちそんな者に関わって心を煩わせる価値は無いし目を向ける時間さえ惜しい。例え書物であっても彼のような偉大な精神に触れる事の方が遥かに有意義で楽しい事であろう。 昼過ぎから今年初めてと言ってももう春やけどのカフェ土偶に出かける。 道中、[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 28 3月 2008 海に橋はかけられない 昨日、古い先輩を送った。特に仲が良かったわけじゃないけど、共通する部分はとても多いし、言い方は悪いけど、社会的にも心情的にも二人とも同じ「枷」にはまっていた仲間である事をお互いちょっと意識していたような気がする。 彼の行く末を聞き、私が最近読み始めた彼の専門である中世後期の神学者の話を聞かせてもらい、その他色々な話を聞いて何ともしんみりした。 今年度は、先輩も後輩も同輩も去って行く人が多い年である[…] 続きを読む
映画 27 3月 2008 「小さな悪の華」「ミネハハ」 ASIN:B00116R1A4 「小さな悪の華」は1970年に公開された映画で、典型的な修道院経営の寄宿学校に住む二人の少女の物語である。こっそりボードレールの詩集を読んでみたり、戯れに色仕掛けで男を釣って見たり、悪魔に信仰告白してみたり、と反骨精神だけが暴走した感じで中々微笑ましい。 反宗教的、反道徳的な内容のために本国フランスでは上映禁止、イタリアやイギリスには輸出禁止、公開されたのは日本とア[…] 続きを読む
Computer 26 3月 2008 Mac OS X 10.5 Leopard でのPATH 最近仕事でMacを使うことが多いのやけど、独自にインストールしたバイナリにパスを通す必要があった場合、自分のホームディレクトリの.bashrcなどのrcスクリプトに書いてユーザーごとに設定するのじゃなくて、システム環境変数のようにシステム全体として設定したい場合がある。 solarisやったら/etc/profileとか/etc/default/loginとか/etc/default/initでや[…] 続きを読む
日記/雑記/妄談 25 3月 2008 急がないのは結論 「世の中には誤解というものはない。考え方の違いがあるだけだ。」と言ったのは村上春樹だった。 一方で彼は「理解というものは、つねに誤解の総体に過ぎない」とも言っている。 この二つの命題をあわせれば、「理解というものは、つねに考え方の違いによる異なった捉え方の総体に過ぎない」という事になる。 これが正しいかそうでないかはとりあえずおいておいて、その見方からすれば、例えば、一つの事象を五つの視点から見て[…] 続きを読む
映画 24 3月 2008 オタール・イオセリアーニ 「群盗、第七章」 (1996/仏=スイス=伊=露=グルジア) ASIN:B000EULVJU オタール・イオセリアーニの「群盗、第七章」を観た。 「群盗」と言えばフリードリヒ・フォン・シラーのデビュー作である有名な戯曲なので、五幕からなる構成のこの戯曲の何らかの続きを「第七章」として撮ったのやと思っていたけど、どうもそうではなさそうだ。 戯曲の『群盗』の原題は『Die Räuber』であるけど、映画の「群盗、第七章」の原題は「Brigands, chapit[…] 続きを読む
映画 23 3月 2008 岡本喜八 「殺人狂時代」(1967/日) ASIN:B000CFWN62 岡本喜八の「殺人狂時代」を観た。 公開当時のかなりの興行成績の不振で公開期間が短く、某単語が連呼されるが故に地上波で放送される見込みがなく、どちらかというとカルト映画の位置付けをされているらしい。 パッケージの写真と流布する映画の評判「尋常な精神の登場人物が皆無の稀代のカルト映画」なるものから、仲代達矢が追い詰められて精神を病み、勢いあまって銃を手にする。って感じの[…] 続きを読む