三島 由紀夫 『春の雪』 (『豊饒の海』 第一巻)

三島 由紀夫 『春の雪』 (『豊饒の海』 第一巻)

ISBN:410105021X 傭兵仲間の某氏のお勧めの一品である、三島由紀夫『豊穣の海』シリーズの第一部『春の雪』を読了。 この本は「浜松中納言物語」に題材をとる壮大な輪廻転生と夢がテーマの『豊穣の海』の第一巻であり、大正時代の華族と宮家を巡る、世にも美しい公爵の若様とこれまた美しい伯爵の令嬢の禁断の悲恋の物語で、春の雪のようにはかなく美しいものがテーマであるというところであろうか。 恥ずかしな[…]
嫌よ嫌よも桃のうち 日記/雑記/妄談

嫌よ嫌よも桃のうち

最近はもうすっかり図書館派の本読みになったけど、ついつい古本でトマス・ピンチョン『重力の虹1』を買ってしまった。自分ではそんなに意識していないけど、途中で読むのを挫折したのをよっぽど根に持っているようだ。 しかしながら現在はまったく方向性も種類も違う本を読んでいるので読むのはもっと先になるだろう。というか、このまま本棚の肥やしになりそうな予感である。これは所有という形での報復であろうか? 本にしろ[…]
オレオレ定言命法 日記/雑記/妄談

オレオレ定言命法

倫理的に非難されるべきであるとされる行為に設定される罪深さの度合いは、その行為を行う人間とその行為を判定する人間の両方の立場にかなり大きく左右される。 例えば、AとBが行為Cを行う場合、Cという行為がAにとっては何の問題でなくても、BにとってはDとの関係性から問題が生じる場合がある。 言うまでもなくこれはそこら辺で日常的に勃発している問題の単純化された図式である。 となると、AはBとDの関係性を考[…]
外で遊ぶ土偶は良く訓練された引きこもりだ 日記/雑記/妄談

外で遊ぶ土偶は良く訓練された引きこもりだ

日曜日なので自転車で出かけ、スタバでコーヒーを飲んだり、文房具屋や図書館や本屋を冷やかしたり。 このままでは引きこもりを脱してしまうと言う危機感を感じたので、夕方から引きこもって本読みに励む。 途中、某氏と電話で喋る。奴とは疎遠になっているイメージがあるのだが、よくよく考えれば定期的に電話で喋っている事になる。この腐れ縁はどこまで腐ってゆくのだろうと末恐ろしくなる。 腐敗もある一定段階を過ぎてしま[…]
適当順列組み合わせ料理 日記/雑記/妄談

適当順列組み合わせ料理

この日はどういうめぐり合わせか料理をする事になった。スーパーで安いものだけを買ってきた後に適当に考えて作る企画。 安かったのは豆腐、水菜、小松菜、もやし、鳥の胸肉、さらに山芋が大量に余っているのでこれも使えという指令である。 結果、完成した物は以下の通り、 水菜の白和え山芋添え、山芋と温野菜の豆腐サラダぽん酢風味、味噌田楽風冷奴、鶏胸肉のカピタにんにく醤油和え、納豆と紅海老とてんかすのオムレツ、山[…]
ボリス・ヴィアン 『北京の秋』

ボリス・ヴィアン 『北京の秋』

ISBN:4152002549 ボリス・ヴィアン『北京の秋』を読了。 タイトルと本の内容に全く繋がりがないのがこの作者の特徴であるけれど、この本は北京にも秋にも全く関係が無いが故に『北京の秋』であるらしい。まぁこのへんはなんとなく心和む逸話ではある。 確かに北京にも秋にも全く関係ない話であった。比喩的にもかすりもしなかった。 エグゾポタミーなる砂漠の真ん中の土地に鉄道をひこうという人達の話というこ[…]
それなり以上 日記/雑記/妄談

それなり以上

前日とはうって変わって寒い日だった。 雨が降るということで錆びないアルミフレームのマウンテンで出勤、マウンテンで出勤ということでブロックタイヤだと楽しい加茂川の未舗装の川原を走る。 ここまでは良かったけど、途中でいきなり前輪がパンク、おそらく空気圧が低すぎたゆえのリム打ちだろう。幸い替えチューブと空気入れを持っていたので、土手の草っぱらでチューブ交換。 作業途中、工具入れにドライバが無いことに気付[…]
交響曲第9番ニ短調「合唱付」 作品125 音楽

交響曲第9番ニ短調「合唱付」 作品125

この日もなんじゃこりゃな暑さ。 仕事後にラジオでシチェルバコフが弾く、リストが編曲したピアノのみのベートーヴェンの第九ってのを初めて聴いた。 一万人の第九ってあるけど一人の第九ってのはやっぱりなんとなく無理矢理感が感じられるような気がした。 そう言うわけでオケの第九が聴きたくなったので風呂にLine inにipodを接続したお風呂ラジオを持ち込んで聴く聴く。 (さらに…)[…]
暑いと頭に何かが湧く 日記/雑記/妄談

暑いと頭に何かが湧く

まるでもう夏が来たかのような暑さ。これから梅雨になるというのが嘘臭い。 毎年毎年梅雨なんか来なくても良いよ。と思うのだが、来れば来たで鬱陶しいけど、来なければ来ないでちょっと困った事になるのは、梅雨もIPv6もアレも同じである。都合の良い話といえばそうであるけど、人間的といえば余りに人間的である。 自分が変わったり成長したように思っていても、実は全く変わっていない事に気付くのは何とも気分が滅入る。[…]
祭りの後 日記/雑記/妄談

祭りの後

五月に入るとゴールデンウィークという事になっているけど、世の中にはゴールデンでもなんでもないウィークだった人も沢山おり、クリスマス、バレンタインデーと発語するだけで欝のどん底に叩き落される人間がいるように、ゴールデンウィーク、ゴールデンウィークと発語するだけで傷ついてしまう人もいるという事もありえるわけで、そこまで考えるともう虫や花を踏みつけないように歩んだゴータマ・シッダールタの如き慈愛レベルを[…]
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