岡崎京子映画を一通り観た

私は岡崎京子の漫画が大好きで出版されているものは一通り読んでいて、それらの漫画を原作にした映画も一通り見ているので感想を書いておく。
原作が有名なものからマイナーなものまで、 原作に忠実なものから明らかに違う世界になっているものまで、 映画化されたものもいろいろである。といっても4つだけやけど。 
これもFilmarksに投稿したものの抜粋で並び順は映画として新しい順。

「ジオラマボーイ・パノラマガール(2020年)」


リバーズ・エッジやヘルタースケルターなんかと違って原作自体がマイナーなような気がするけど、あえてこれを映画化しようってのはよっぽど岡崎京子か原作に思い入れがあるのだろうと思うけどよく知らん。
物語は恋に恋する女子高校生と性欲に突き動かされる男子高校生のボーイ・ミーツ・ガール物ということろ。原作は売春する小学生やら高校生が登場したり、死に瀕したばあちゃんが主人公の女子高校生に憑依して遊びまくったりするくらい設定がぶっ飛んでたけど映画版は至って普通。
原作のテーマは作者の岡崎京子氏曰く「今やわたくし達のつたない青春はすっかりTVのブラウン管や雑誌のグラビアに吸収され、つまらない再放送を繰り返しています。そしてわたくし達の出来ることときたらその再放送の再現かまねっこ程度のことです」と中々に構造主義的にメタな感じだ。

とは言え、物語を読んでいる限り登場人物は誰もそんな事を意識していない。作者の上部構造と物語の下部構造は完全に隔絶している。しかし、彼らの違和感が下部構造の裂け目のようなものとして現れているようにも見えるシーンもいくつかある。「みんなみんな気のせいやで」「ああつまんない下らない」など。

映画では「写ルンです」で写真を取りながらInstagramの話をしたり、スマホを見ながら昔の250ml缶のジュースとを飲んだり、バブル期に流行った村上春樹の小説のタイトルを引用したりと、時空が入り混じったような不思議な演出がされていた。これが、この原作の「裂け目」にあたるのかなと思った。
でも映画としては禿しく微妙なので岡崎京子好きにしかおすすめできないと思う。
とマイナーな原作なのでついつい解説してしまったー

「チワワちゃん(2018年)」

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これはとても好きな原作だ。
1994年原作の35ページの短編は2019年に109分の映画になった。25年後の現代のチワワちゃんはインスタグラムをやったり友人とLineで連絡をとったりしているけど、岡崎京子好きとしては原作の空気の延長線上にある面白い映画だと思った。
チワワちゃんもイメージにぴったりだし。最後の走るチワワちゃんも原作にないシーンだけどとてもよかった。

リバーズ・エッジ(2018年)」

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何から何まで原作に忠実でビビった。
ある意味原作よりも面白い部分も沢山あった。
登場人物全てが原作に忠実で完璧な配役だったと思う。中でも吉沢亮とSUMIREが原作以上のぴったり感。
また、田島カンナが炎上ダイビングしたところを目撃した吉沢亮が驚いた後に徐々に抑えきれない笑みを浮かべてゆくシーンは原作にもない部分やけど最高やった。
岡崎京子好きの私にとって、この『リバーズ・エッジ』はほぼ原作と同じ方向性で素晴らしい稀有な映画だと思う。
大抵の映画は原作を超えられないと言うけど、例外的にジャン=ジャック・アノー の『薔薇の名前』、タルコフスキーの『惑星ソラリス』なんかは原作とはまた違う面白さがあった。
でも、岡崎京子好きの私にとって、この『リバーズ・エッジ』はほぼ原作と同じ方向性で素晴らしい稀有な映画だと思う。

「ヘルタースケルター(2012年)」

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蜷川実花が監督である。
氏の写真はどちらかというと好きな方やけど、この映画は岡崎京子感はほとんどないし原作へのリスペクトが殆ど感じられない。
リリこのイメージが私の中にあるものとかなり違う。
岡崎京子と関係ない部分で小道具とりりこのポートレートを観る映画だな。

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