映画:「スパイダーマン3」 / 通過儀礼としてのダークサイドとの戦い

amazon ASIN-B0022F6LZ4シリーズ通してサム・ライミが監督のスパイダーマン3を観た。
前作「スパイダーマン2」の最期でスパイダーマンでありながらもちゃんと個人として生きることを決意し、愛する彼女と結ばれた主人公であるが、スパイダーマンとしての名声も、学生としての成績も申し分ない生活を送っていた。
ノリノリでイケイケの主人公と引き換え、主人公の彼女は仕事も上手く行かず、主人公とすれ違うようになり、二人は険悪になってゆく。
自らの力が肥大して全能感が増すにつれ、自分のコントロール外にある自分にとって大事な部分と言うのが弱点となり、自分にとって耐え難い物となる。
自らのもつ力と、その部分への自分の無力さのギャップを埋めるため、大きな力を持つ自分はあらゆる人間の持つ制限を超越する権利を持つと考える事がダークサイドへ堕ちる動機となる。
ダークサイドとの戦いはヒーローの通るべき運命の一つである。
そして、この映画はスパイダーマンにとってのダークサイドとの戦いを描くものであり、そのことによってスパイダーマンが本当の意味でのヒーローになるという物語でもあった。


ルーク・スカイウォカー然りスパイダーマン然り、堕ちかけたダークサイドの誘惑から逃れる事はヒーローとなる条件であっても、ダース・ベイダーやニュー・ゴブリンのように、アンチ・ヒーローが堕ちたダークサイドから這い上がる事が結局は彼らの死を意味するというのはなかなかきついものがあるなぁと思った。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。

PAGE TOP