「アンダルシアの犬 」(1928/仏) / 「レディ・イン・ザ・ウォーター」(2006/米)

amazon ASIN-B000J6HYOA「レディ・イン・ザ・ウォーター」はなんとなくホラーやと思って全くの予備知識無しに観たのやけど、全く怖くなかった。
「水の精」を中心にした創作おとぎ話の映画化であった。裸すら映すのを避けていたので子供向けの映画なのだろう。
何かを評する時に「可も無く不可も無く」と言うと否定的なニュアンスに聞こえるけど、この映画はそういう事は無く本当の意味での「可も無く不可も無く」であった。
このM・ナイト・シャマランなる監督が好きな人は直球勝負で楽しめるらしい。
でも、そうでない人はあえて観る事も無いだろう。かな?
amazon ASIN-B00006GJI7ルイス・ブニュエルの「アンダルシアの犬 」(1928/仏)を観た。ルイス・ブニュエルとサルバドール・ダリが脚本を作り、どちらも作品中に登場している。
シュルレアリスムの実験的ショート・フィルムということで15分程の短い無声映画やけど、映画史的にはそれなりに重要な映画らしい。


道端に落ちている手首を棒で「つんつん」する美少女の死を見て性欲が暴走し、胸を「もみもみ」しながら白目を剥いて血のよだれをたらす男の表情が笑える。
なぜか二人の修道僧とロバの死体を乗せた二台のグランドピアノを引き摺って女性に迫る男が笑えた。
口紅を塗ると口の無い男の口のあたりにも色がついて「はっ」として自分の腋を点検する女性が笑った。
シュールとかカルト映画とか言われててストーリーなんかあってないようなもんやと言われてるけど、ちゃんとストーリーがあってしかもメッセージ性まであって意外に面白かった。更には「くすっ」と笑える点も多く、しかも最後はハッピーエンドっぽくなってるし(w
方向性としては「イレイザーヘッド」やろうね。というか「イレイザーヘッド」がこの映画の方向性と言うべきか。この手の映画はこのくらいの短さで逆にいいのかも。
かの有名な冒頭で女性の眼球を剃刀で切り開くシーンは全く大した事無かった。全然恐く無い。これでビビって観るのを躊躇している人は臆せずに観てみよう。観ておいて損は無い映画である。
観終わってもBGMのアルゼンチン・タンゴが頭の中で鳴り続けている。そんな映画だった。

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