木田元 『ハイデガーの思想』

木田元 『ハイデガーの思想』

ISBN:4004302684 以前「哲学のエッセンス」のハイデガーを読んでちょっと興味がわいてきたので、なかなかに評判の高い入門書というか解説書の木田 元の『ハイデガーの思想 』(岩波新書)を読んだ。 ハイデガーに興味を持ったからと言っていきなり『存在と時間』にいかないところが私らしいというかなんというか… 内容としてはハイデガーの人となりからその思想までを網羅していたけど、分量からいくと『存在[…]
黒澤明 「用心棒」(1961/日) 映画

黒澤明 「用心棒」(1961/日)

ASIN:B000UH4TTG 黒澤明の『用心棒』を見た。 内容は江戸時代の宿場町に現れた浪人が、争う二つの勢力の両方に用心棒代を競らせつつのらりくらりと両方の壊滅を目指すというもの。冒頭とも言える始まって直ぐの、野良犬が人間の手首から先をくわえて「ご飯~♪」とばかりに嬉しげに歩いているシーンで否応にも期待が高まる。 無法地帯となった宿場町の雰囲気は最高である。人相の悪いやくざ者が得物を持ってうろ[…]
熊野 純彦 『カント―世界の限界を経験することは可能か (シリーズ・哲学のエッセンス』

熊野 純彦 『カント―世界の限界を経験することは可能か (シリーズ・哲学のエッセンス』

ISBN:414009303X もうすっかりお気に入りのシリーズ・哲学のエッセンスの一つ、『カント―世界の限界を経験することは可能か』を読んだ。 この本はカントの『純粋理性批判』を主とした「アンチノミー論」を主題にして展開されている。 1章で世界の二律背反のあり方を「物自体」と「現象」の区別(超越論的観念論と呼ぶらしい)で吸収する話を、2章で神を存在も非存在も証明できないがゆえに世界の外にいるとし[…]
あまりに、あまりにカラマーゾフ的な長い一日 日記/雑記/妄談

あまりに、あまりにカラマーゾフ的な長い一日

昨日行った「同じ部署の人が翌日する予定のプレゼンテーションのサンプル+αとしてのプレゼン」の本番のプレゼンを私がすることになったもののお客さん少なくて残念な寄席であった。それでも、「噛み噛み系プレゼン」の名に相応しい、「そこで噛むか?」と思わせるほどの見事な噛みっぷりであった。 『ビジュアル版 日本さかなづくし (3集) 』『裏千家流茶道教本 続 初歩の茶道』「「ヴァチカン美術館の本」を古本屋で買[…]
噛み噛み系プレゼン、私ずるいんです 日記/雑記/妄談

噛み噛み系プレゼン、私ずるいんです

「同じ部署の人が翌日する予定のプレゼンテーションのサンプル+αとしてのプレゼン」とちょっとややこしい位置づけのプレゼンをしたのだが、例の如く噛みまくりの滑りまくりの寄席であったものの、それなりに上手くいったんじゃね?と自分では思った。 もうこれは「噛み噛み系プレゼン」という新ジャンルで新境地を開いた気分である。 16歳の少女が斧で父親を惨殺したニュースについての、おっとりまったり美しい感じの某レデ[…]
万年筆には青いインク 日記/雑記/妄談

万年筆には青いインク

帰りに職場の近所の大型店舗でPilotのブルーブラックの万年筆のボトルインクを買う。何気にここの文房具屋は品揃えが良かったりするのだ。 先月発売されていたにもかかわらず気づかなかったグイン・サーガー115巻も同じ場所で購入する。 万年筆を風呂に持って入ってお湯で洗い、ブラックインクを完全に抜く。空きカートリッジに化粧用スポイトでブルーブラックのインクを充填して装着。 パイロットのブルーブラックは発[…]
睡眠の合間に 日記/雑記/妄談

睡眠の合間に

ひたすらダラダラと過ごした日。 昼くらいに起きて音楽を聞きながら布団に寝転んで本を読み、眠ったり起きたりを繰り返す。 普段働いているからこそこういう時間を至福の時間であると感じることが出来るけど、引きこもっていたり無職だったりすると、こういう時間の過し方は自己を苛む原因にしかならないのだろうとふと思う。 「毎日が日曜日」と自虐的に言ったりする人がいるけど、幸福感であるとか開放感であるとかいった「快[…]
栗原 隆  『ヘーゲル―生きてゆく力としての弁証法』(シリーズ・哲学のエッセンス)

栗原 隆  『ヘーゲル―生きてゆく力としての弁証法』(シリーズ・哲学のエッセンス)

ISBN:4140093064 最近お気に入りのシリーズ本「哲学のエッセンス」の『ヘーゲル―生きてゆく力としての弁証法』を読んだ。 一回目は一気に読んで微妙に判りにくかったので、二回目はちょっとゆっくりめに読む。余りにお手軽でこんなんでいいのか?と思うのは気にしないことにする。 ヘーゲルといえば弁証法というイメージやけど、この本はそのヘーゲルの弁証法を、自己否定や自己矛盾、「あれか-これか」の状態[…]
小津安二郎「東京物語」(1953/日) 映画

小津安二郎「東京物語」(1953/日)

ASIN:B000VRRD20 小津安二郎の『東京物語』を観た。もちろん「有名やけど見ていない昔の映画を見よう企画」の一環で、日本だけではなく、世界的にも評価の高い傑作の一つとみなされる事の多い映画である。 年老いた老夫婦が尾道から東京へ子供たちを訪ね歩くも、日々の生活に追われる子供たちはちゃんと相手をする事ができない。老夫婦は戦死した息子の未亡人の親切さに触れてそれなりに満足して尾道に変えるも、[…]
僕らはみんな歪んでいる Solaris/Sparc

僕らはみんな歪んでいる

嫌な夢で目覚める。最近は時々夢を見るようになった。 昨日は午前中はのんびりで午後からいきなりバタバタだった。 色々なものが目まぐるしく変わってゆく。古い色々なものは過ぎ去ってしまってもう無い。 新しくなるのは良いことだけれど、古い物には死すら訪れずただ消え去ってしまうのみ。 今目の前にあるものも今すぐ掴んでおかなければ直ぐに流れ去ってしまうだろう。それでも悲しい事に私の手は二本しかない。 家に帰っ[…]
PAGE TOP