土偶

虐殺器官/限りになくSFに近い純文学

虐殺器官/限りになくSFに近い純文学

現代化から見てとてもリアルに感じられる世界情勢とテクノロジーのあるディストピアな未来を舞台にした「暗殺」を専門にする軍の情報特殊部隊の構成員が主人公の、世界各国の発展途上国で起こる「虐殺」をプロデュースする「標的」を追う物語だ。 主人公は現場での実働部隊の軍人でありながら「言葉」に拘りをもつ文学好きで知的でナイーヴで傷つきやい青年でとても幼くすら見える、「そんな装備メンタルで大丈夫か??」と言いた[…]
M3GAN/GHOST IN THE SHELL 映画

M3GAN/GHOST IN THE SHELL

ずっと見たかったのだかいつの間にかアマプラに入っていて喜んで観た。 大体想像した通りの筋書きの想像したようなラストだが、まぁこのへんはこの系統の映画の様式美みたいなものだ。 ミーガンさんはチャッキーほど下品でも凶暴でもなく粗野でもなく、お上品で理知的で教養深く、見た目も踊りもお洋服も可愛らしくてシュッとしてはって大変よろしい。まぁAI搭載アンドロイドやしね。 不気味の谷を行ったり来たりするバランス[…]
「さかなのこ」(2022年製作の映画)/さかなクンの愛の物語 映画

「さかなのこ」(2022年製作の映画)/さかなクンの愛の物語

私はさかなクンが好きだ。彼の足元にも及ばないながらもかなりの魚好きで地味な淡水魚好きであると自認している私から言わせてもらえば、それほど魚に興味のない人、例えばトウヨシノボリとヌマチチブを一見して判別できない程度のレベルの人は彼がどれだけすごいかたぶん永遠にわからないだろう。私は彼が大抵の魚の鰭条や側線の数まで把握していると知った時は畏敬の念を通り越した恐怖のようなものを覚えた。 彼の魚に対する愛[…]
映画『Winny』/プログラムは自分自身の表現だ 映画

映画『Winny』/プログラムは自分自身の表現だ

先日映画『Winny』を観て来た。映画を映画館で観たのは久しぶりだ。 IT業界に身を置き、技術者であり開発者であり、そして当時を知る私にとってとても面白い映画だった。 この映画の言いたいことは、つまるところwinnyは当時世界をリードしていた技術が搭載されており、その開発改良を国家権力によってストップさせたこと、金子氏の開発者としての活動を7年も裁判で縛り付けて停止させたことは大きな国家的損失であ[…]
PROSPECT/細部に神が宿る映画 映画

PROSPECT/細部に神が宿る映画

  2019年07月20日にアメリカ/カナダで公開されたらしい『PROSPECT』なる映画を見た。 想像以上に、というよりも予想を遥かに超えて素晴らしかった。 見終わった後にもう一度見たくらい素晴らしかった。 宇宙船が飛び交う戦争を描くようなハリウッド的SF映画の対極にあるが、今まで見たことのない1つの世界をちゃんと完璧に作り出している。その世界を説明不足なほどに語りすぎないのもいい。 […]
「スペシャリスト/自覚なき殺戮者」政治的にも倫理的にも社会的にも正しい言説で真顔で嘘をつく大人の醜さと恐怖 映画

「スペシャリスト/自覚なき殺戮者」政治的にも倫理的にも社会的にも正しい言説で真顔で嘘をつく大人の醜さと恐怖

映画「スペシャリスト/自覚なき殺戮者」を観た。 ナチスがユダヤ人の絶滅収容所を運営するにあたり、絶滅対象者の大量輸送における最高責任者のような立場であった、当時親衛隊中佐のアイヒマンは戦争終結後逃亡していたが、十数年後にアルゼンチンでイスラエルのモサドに拉致されエルサレムでナチス時代に行った絶滅収容所運営についての法廷に立つこととなった。 何百万人ものユダヤ人を虐殺した悪魔のような男を裁く法廷とし[…]
『〈わたし〉はどこにあるのか 』マイケル・S・ガザニガ 運命論を科学的に否定する

『〈わたし〉はどこにあるのか 』マイケル・S・ガザニガ 運命論を科学的に否定する

せっかくブログもリニューアルしたことなのでここしばらくでとても面白かった本のことについてでも書こう。 「認知神経科学」であるマイケル・S・ガザニガ の『〈わたし〉はどこにあるのか――ガザニガ脳科学講義』で、著者によるギフォード講義の内容を本にしたものである。 原題は"Who's in Charge? Free Will and the Science of the Brain"で、「責任はだれにあ[…]
2022年お盆休みに面白かった映画 映画

2022年お盆休みに面白かった映画

長い長いお盆休みが終わる。 五月の末からこのお盆休みまでは本当に色々あった。そして九月からはまたさらに色々あるだろう。 その嵐の間の凪のようなこのお盆休みは日常的な買い物以外全く出かけずに引きこもってひたすら映画を観ていた。 観た映画はメモとしてfilmarksへ投稿していたがここにも面白かった映画を書いておく。 多分、きっと将来、あの頃はこの映画を観て面白がっていたと懐かしく思うだろう。 ただし[…]
オンネリとアンネリシリーズ三部作はマンネリにならない 映画

オンネリとアンネリシリーズ三部作はマンネリにならない

このお盆休みはどこにも出かけずにひたすらアマゾンプライムで映画ばかり見ているのだが、今まで見たことも聞いたこともない映画を不意にアマプラさんに薦められた。 時間も1時間少しと短いのでちょっと作業の合間に見れるなーと見てみたらとても面白かったので紹介する。 フィンランドの児童文学の映画化らしい。  filmarksに投稿したテキストをそのまま貼り付けておく。 「オンネリとアンネリのひみつのさくせん」[…]
ISBNやASIN表記でamazonの画像とリンクに変換してくれるWordPressのプラグイン WordPress

ISBNやASIN表記でamazonの画像とリンクに変換してくれるWordPressのプラグイン

このブログで本やら映画やらなんやらを介しているけど、その画像やらリンクをいちいちアマゾンのサイトに行ってリンクを作るのはめんどくさい。 なので私はISBNやASIN表記で簡単にリンクと画像を作ってくれるプラグインを作って使っていた。 そして今回ブログをリニューアルにあたり私が作ったのと同様のプラグインを探してみたけどやたらと多機能なものばかりで私が作ったようなシンプルで単機能なものは見つからなかっ[…]
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